『パンを売る気はないんです。美味しくて体に良い、オリーブオイルや塩を皆さんに紹介したいんです。』
岩木山麓の中腹に、森に囲まれたログハウスのパン屋さんがあります。店の名前は「野風(やふう)パン」。全国ネットの番組で2度も放送されるほど有名なパン屋さんです。
しかし、購入客のほとんどが県外の方で、わざわざパンを買うために近くのホテルに宿を取る人もいるほどの人気店であるのに、弘前市民には意外と知られておりません。
そんなリピーター続出の「野風パン」 主宰 板垣 孝尚氏のこだわりのパン作りを取材させて頂きました。
~手作りの石窯~
海外でパン作りを学んだ板垣氏が、地元に帰って手作りした石窯。熱源は何と薪です。電気やガスと違い火力が強いため、外はカリッと、中はフワフワモチモチに焼けるのですが、不安定な薪の火を安定させるために手間も時間もかかるそうです。
~天然酵母~
自家採集・自家培養の酵母菌を使用して、しかも保温器ではなく常温で発酵。膨らむまでにかかる時間は平均15時間だそうです。その日の天気や湿度、更には作る側の心の動きにまで反応してしまう、繊細な天然酵母を使っている作業場は、タバコや納豆が厳禁だとか。焼き上がったパンをちぎって口に入れる時、ドライイーストの匂いに邪魔されず小麦本来の香りと味が楽しめます。
今回私はミルクロールパンを買って食べてみたのですが、外はカリッと香ばしく、中は目が詰まっていて非常に噛み応えがあり、噛むほどに小麦の風味が口に広がります。「主食としてのパン」というものを強く感じました。
~パタゴニア生命の塩~
オーガニック先進国アルゼンチンで珍重されているこの塩は、乾季の塩湖で自然に干上がったもののみを採取しているため、ミネラルを多く含み小麦の味を引き立てます。かのミシュラン6つ星ホテルで有名なマンダリンオリエンタルホテル東京では、館内のレストラン全てでこの塩が使用されているというエピソードを聞くだけで、この塩がどんなに魅力的なものか容易に想像できます。
~世界一のオイル~
オリーブオイル世界一の栄光に輝いた「Timbo」というオイルは、まるでフレッシュジュースの様な爽やかな香りで、動脈硬化を防ぎ血液をサラサラにしてくれるため、毎朝コップ一杯、飲み続けているファンもいるとか。全粒粉フランスパンを薄く切り、トースターで軽く焼いたものにこのオイルを塗りパタゴニアの生命の塩を振りかけて食べると絶品で、朝食から晩酌の肴までオールマイティな逸品料理になります。
以上のようなこだわりの道具や材料を使い、こだわりのパンを焼いている板垣氏が取材の最後に言った言葉が冒頭にある言葉で、素直にカッコイイと思いました。
決して広いとは言えない店内には、まだまだ紹介し切れない珍しい食材や写真などがあったので、そもそも彼が岩木の山奥でパン屋さんを開いた理由や、食育・健康に対する熱意なども含めてまたレポートしたいと思います。
森の中のパン屋 野風パン
住所:弘前市大字百沢字東岩木山1205-2
TEL:0172-83-2020
営業時間 9:00~18:00〈月曜定休〉
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