魅力No.1416


「津軽百年食堂」の内側へ!その2

1月15・16日の2日間、弘前市立観光館・研修室で行われた「フィルムツーリズムセミナー」と題したセミナーに参加しました。
今回は「その2」。2日目の模様を書いていきます。「その1」をまだ読まれていない方は、まずそちらをお読みください。

セミナー2日目(1月16日・日曜日)
セミナーの参加者は、昨日とほぼ同じ。この日のみ参加という方もいました。
午前10時にセミナーがスタート。研修室に3名の講師を招きました。

2日目のテーマは「動画や写真の撮影のコツを学ぶ」。
今日のセミナー参加者には、事前に主催者から「カメラを持ってきて下さい」という“お願い”がありました。というのも、カメラマンさんから直接指導を受けることができるからです。私は、いつも使っているデジタル一眼レフを持って参加しました。
参加者ひとりひとりに「どんなものを撮りたいか」「何を学びたいか」と質問されたので、私は「写真を撮るとき、いつもフレーミング(画面構成・画角=がかく、とも言う)で悩んでいます。なので、今日はフレーミングを学びたいと思って参加しました!」と答えました。
他の方は「ブログ用の写真をキレイに撮りたい」「平面的ではなく、奥行のある写真を撮りたい」「携帯で写真をうまく撮るには?」などなど。それぞれが「写真が上手くなりたい!」という思いをもって参加している事がわかりました。
カメラマンの松本氏は「まず、常にカメラを持ち歩く。つまり撮影する機会を増やすと、少しずつ写真は上達していくと思います」「ブログ、特に食べ物をうまく撮るには、ライティング(照明)が重要だと思います」と答えてくれました。
大森監督からはフレーミングについて「映画は単焦点レンズ(焦点距離が固定されたレンズ)で撮るので、例えば『50mmのレンズなら、ここからここまで入ります』って感じで、撮影監督は常に頭の中でイメージしているんですよ」というフォローをいただきました。

そして、研修室の中で実践に入ります。今回使ったカメラ「Canon EOS 7D」を使って「フレーミング」を学びます。
28mmの単焦点レンズをカメラに装着し「どの範囲が映像に収まるか」を画面で確かめました。私も「このぐらいの範囲かな?」とイメージしてみたのですが、実際はそのイメージよりも広い範囲を映していました。
そのあと「ライティング」つまり照明について。研修室の蛍光灯を全部消して、外からの光のみを入れると、ガラリと雰囲気が変わる、ということを実践しました。
あるセミナー参加者が大森監督に「役者の演技中は、モニター画面を見ているのですか?」と質問をしました。それに対し「いや、演技を見ています。モニターは見ません。僕は生の演技に対して『OK!』と言っています。監督っていうのは演技を見るもんだよ。」と答えました。
私は大森監督のこの言葉を聞いたときに、大きくうなずきました。監督のイメージは「役者さんの良い所を引き出してゆく人」だと、ずっと思っていたので。なんだか嬉しくなりました。

11時頃、前半終了。10分の休憩の後、絶好のロケーションへ移動! 撮影場所に指定されたのは、観光館のすぐそばにある「旧東奥義塾外人教師館」の2階にある展示スペースです。洋風でおごそかな雰囲気の漂うこの場所で、一流のカメラマンに指導していただけるなんて、なんという贅沢! ある一室をお借りして、松本監督のもとで撮影の指導をしてもらいました。

この写真で、少しでも雰囲気が伝わるでしょうか。
大森監督は「やはり太陽光に勝るライティングはないね!」と絶賛。この教師館全体を「素晴らしいねぇ」と言っていました。

参加者のカメラは、一眼レフ・コンパクトデジカメ・携帯カメラ・ムービーと様々でしたが、松本監督は、それぞれの機械にマッチした撮影方法を、ひとりひとりに丁寧に指導していきました。
半分くらいの参加者の指導が終わったあたりで「お願いします!」と監督へ挙手。私への指導が始まります。
上の写真と同じ角度で撮影しました。まずは部屋全体の写真、次に机と同じ目線での写真。この2枚に関しては「良いですね」と、即評価。「今度は50mmにして、人物のアップを撮りましょう」と言われ、レンズを50の位置に合わせて何枚か撮ってみました。モニターを見て監督は「真ん中過ぎですね。もう少し顔が左でも良いかも…」と言いました。私の悪いクセ=「ド真ん中にピントを合わせたがる」というのを、見事に見抜かれました。その後3~4枚撮影。ようやく監督の「良いですね」の評価をもらいました。「微妙に位置が変わるだけで、写真の雰囲気は大きく変わってゆく」という事を実感しました。

すべての参加者への指導が終わり、外人教師館を出て、我々は観光館の研修室に戻ります。
時刻は間もなく12時。終わりの時間が近づきました。最後に、講師の皆さんから一言ずつ。

大森「いろいろと御協力いただき、ありがとうございました。またお会いしましょう!」
松本「被写体と対話することで良い写真は撮れると思います。またお会い出来ればと思います!」
木村「また是非、呼んでください!」

「お疲れ様でした!」という締めの言葉で、2日間にわたるセミナーは終了しました。

私の感想ですが、皆さんすごく優しい方でした。大森監督は見た目は厳しそうに見えますが、実際にお会いすると本当に心優しい方でした。最後に映画のポスターにサインをしてもらいました(写真1枚目が、そのサイン入りポスターです)。彼の過去の映画を見ていたので「この方に、弘前を舞台にした映画を作ってもらって良かった!」と心から感じました。松本監督はカメラ撮影の技法をしっかりと指導してくださいました。この事で、私の中の「写真撮影に対する思い入れ」がいっそう強くなりました。木村プロデューサーは、我々の知らない「映画の製作費」についてわかりやすく話してくださいました。まだ若いので、今後も多くのヒット作に関わっていくと思います。

良い雰囲気の中で、終始このセミナーは進んでいったなぁと感じました。
改めて、講師の皆様、そして主催者の皆様、ありがとうございました!

いかがだったでしょうか。今回の記事が、少しでも「津軽百年食堂」の内側へ入るきっかけになれたなら、嬉しいです。
最後に読者の皆さんへ。2回にわたる拙文(ならびに長文)にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

日本, 青森県弘前市下白銀町4

コメント一覧

akky へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA