魅力No.1931


青森の魅力 meets 矢口監督 Vol.1~舞台挨拶編

このたび「青森の魅力」では、映画監督の矢口史靖(やぐち しのぶ)さんへのインタビューを行いました。12月9~11日に弘前市で開催された「弘前城築城400年映画祭」で、2004年公開の『スウィングガールズ』が上映される事となり、最終日に舞台挨拶で矢口監督が映画祭の会場を訪れる事になりました。

これを受け、配給会社の東宝様から「青森の魅力」にも取材依頼のお声がかかり、編集室から2名、そして魅力特派員の中から2名(私・すきとおる=取材担当、たがまぁさん=写真撮影担当)の計4名で取材することとなりました。
この記事を含め3回にわたり、矢口監督の特集をしていきます。お正月に公開される新作映画『ロボジー』のお話を含め「矢口監督の魅力」に迫りたいと思います。

■舞台挨拶~中三8階・スペースアストロにて

12月11日・日曜日。弘前は雪が降っていて、冬らしいお天気でした。
会場のある中三弘前店の正面入口には、大きな看板が。
nakasan-ent「築城400年映画祭」は、こちらの8階・スペースアストロで行われました。

午後4時10分開始の『スウィングガールズ』の上映を楽しみに、映画祭にはたくさんのお客様が来場されていました。
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定刻となり、進行役の三上雅通委員長の紹介で矢口監督が登場。たくさんの拍手に迎えられました。
客席を見るなり監督は「『スウィングガールズ』(のお客さん)ですよね?」と言い“ずいぶん前の映画なのに何故?”という表情をしつつ、大勢の方に来ていただけた事に、嬉しさを隠せない様子でした。
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マスコミの取材も多かったです。

ここからは、三上委員長と監督との「一問一答」となります。

――映画「スウィングガールズ」の見どころは、役者さんの演奏ですよね。

「ウォーターボーイズ」(2001年公開)で、役者さんに実際にシンクロをさせて、それがうまくいったことに味をしめまして…それと同じやり方で「ジャズをやっている女子高生」という設定で映画を作ろうと考えました。それで、長い時間をかけて役者の皆さんに楽器を練習させ、聴かせられるレベルにして、撮影に臨みました。

 

――主演の上野樹里さんをはじめ、いまや有名になった方々がいっぱい出演していますが…

当時(7~8年前)はまだ売れていませんでした。売れる前の人たちをたくさん集めて、魅力的な人たちを探して、楽器(が出来るか出来ないか)は最後でした。結果、楽器の出来ない人たちを集めてしまって…だから、一から練習です。

 

――でも、あの演奏は間違いなく本人たちの演奏ですよね?

もちろん、吹き替えなしです。公開当時も「本当に演奏出来るの?」って疑われましたが、キャンペーンで全国を演奏してまわって「本当に出来るんですよ!」ってことを証明してきました。

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活き活きとした表情で質問に答える、矢口監督

 

――この映画は山形県が舞台なんですよね?

山形県でも南の、米沢市という所です。実はロケ地を探しに、青森にも来ています!それこそストーブ列車にも乗りました。方言をそのまま生かしたい、と思っていたのですが「このへんの方言には、字幕が必要だ」と言われて“邦画なのに字幕を付けなきゃいけないのか…”と思って(断念しました)。それで、山形県でもいちばん南の、なるべく標準語に近い方言を話す地域=米沢市に、ロケ地を決めました。
『スウィングガールズ』は「音楽と方言」を核にしたのですが、その後、方言を可愛らしく使った映画が増えていったので、この映画を通して、言葉(方言)の橋渡しが出来たのではないか、と思います。

 

――来年1月14日には新作映画『ロボジー』が公開されるそうですが。

今回は「ロボットとお爺さん」という、ものすごく遠い存在なんですけど、これらが混ざった時に妙な化学反応が起きて…非常に面白いものが出来ました!
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――このロボットは、ハリウッドの映画のものとは全然違いますね。

3DとかCGとか流行っている時代に、完全に(この映画は)2Dです!(笑)CGナシです!(笑)

 

――今回、五十嵐信次郎さんというお爺さんが、主演なんですが…

みなさん、五十嵐さん「どっかで見たことある」って気付いた方いらっしゃいますかね? 実は、ミッキー・カーチスさんなんです(場内から「へぇー」という多くの驚きの声)。「ミッキー・カーチス」という名前を出しても、若い人には「外人主演の映画?」と思われるかもしれません。この映画、いつまでたっても外人は出てこないんですよ(場内爆笑)。それで僕のほうから「まるで新人さんみたいにしたら、面白いんじゃないですか?」と持ちかけたら「オレ、五十嵐信次郎って名前がいいんだけど」と本人から言い出したんですよ。それで「謎の新人俳優、73歳の五十嵐信次郎」という事になりました。
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熱心に聞き入るお客様。新作への期待がうかがえます。

 

――なぜ、今回のような映画が出来たのですか?

もともとロボットが好きで、二足歩行ロボット・ASIMO(アシモ)が初めて登場したときに「あの中には人間が入っているんじゃないか?」「子役が入っているはずだ!」という、意地悪な発想が浮かびました。映画を作るにあたって「ロボットを作り損ねたダメ社員が、急場をしのぐために“人を入れてごまかしてしまおう!”と考え、そこにとんでもない爺さんを入れてしまい、騒動になってしまう」という設定のストーリーにしました。

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ロボットについて説明を加える矢口監督

 

――来年は『ロボジー』ということですね。監督、本日はありがとうございました!

ありがとうございました!『スウィングガールズ』是非、観てください!

 

舞台挨拶は終了し、会場では、この後『スウィングガールズ』の上演となります。

今回のイベントの開催に向け御尽力された、
弘前城築城400年映画祭スタッフの皆様とともに、矢口監督を囲んで記念撮影。
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【写真提供:弘前城築城400年映画祭実行委員会】
会場にいた皆さんは、監督の温和な人柄とユニークなトークとともに、心和む時間を過ごす事ができました。

このあと、私たち魅力取材チームは、矢口監督への独占インタビューを行いました。
「青森の魅力」が、監督の魅力に迫ります!その模様は、次回お送りします。お楽しみに!
「青森の魅力 meets 矢口監督 Vol.2」へ つづく)

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