食と健康について考えるようになったのは、不規則な生活が続くようになってから。薬だけに頼らず免疫力を高める方法はないかと独学で学び、薬膳にたどりついた。薬膳食材と自家栽培の野菜を使い、健康を気遣った料理を提供している。

定番メニューになった人気のサイドメニュー

食命人新山さんが作る薬膳スープは、お客さんへのあたたかな優しさから生まれました。
寒い冬、来店したお客さんに何か温かいものを、と冷蔵庫の中にある食材を使って作った即席スープが始まりです。「体が温まって、おいしい」と喜んでくれたことがうれしくて、レシピを考え、お店のメニューとして出すようになりました。

自家栽培や地元農家さんが育てた根菜類をふんだんに使い、そこにクコの実やにんにくなどの薬膳食材を加え、体を温めてくれるスープです。
素材の味をいかすため昆布だしがベースになり、手羽中でコクを、さらには押し麦でとろみがつけられています。飲むごとに、旨味がじんわりと染み渡り、ふわっと広がる薬膳の香りが気持ちを穏やかにしてくれます。

一人暮らしのお年寄りも多く、お客さんの体を気遣う新山さん。
ランチ弁当も十穀米や煮物が中心で、だしを十分にとり薄味でもおいしく食べられる工夫がされています。

「この一杯がお客さんの元気の源になれば」。
サイドメニューの薬膳スープは、今では単独でのオーダーも増え、お店の定番メニューになっています。

季節の移ろいとともに、新しいスープを考案中だとか。完成が楽しみです。

新山 節子さん

免疫力を高めるために、
長芋料理をレパートリーに加えてみてください。
おすすめは、「長芋と大庭の豚肉ロール　梅肉ソースがけ」。
長芋は漢方薬に使われるほど栄養価の高い食材です。
煮ても焼いてもおいしいんですよ。