昭和30年代創業の老舗郷土料理店ふく田の2代目女将。生まれ育った三沢市の良さを食でPRしようと地元食材にこだわった料理を提供している。また地元出身で劇作家や詩人などとして活躍した寺山修司の好物を提供する「寺山食堂」参加店としてオリジナルメニューにも腕を振るう。”来るたびに新しいメニューを”と、食に対する情熱と探求心で料理を考案し続けている。

手間暇かけた食材からのご褒美

工藤さんが腕を振るう食命人メニューは、地元の食材をふんだんに使用した2品の料理。

1品目は、ランチメニューその名もずばり「あおもり食命人定食」。
日替りで登場する旬の魚や肉をメインに、地元で採れた旬の野菜が彩りを添えています。
こだわりは、付け合わせに発酵食品と酢の物をプラスすること。旬の食材と一緒に酢の物を食べることで栄養の吸収率を高めてくれます。この考えられた栄養バランスとボリュームにビジネスマンを中心に注文が多い人気のメニューです。

2品目は、一日限定10食の「パイカライス」。
パイカとは、三沢のご当地食材で豚バラの肉付き軟骨のことです。軟骨とそのまわりについている上質なお肉を地元で採れた数種類の野菜とともに２日間じっくりコトコト煮込むこの料理は、時間をかけるほどに軟骨特有のコリコリ感がプルプル、トロトロに。また野菜から溶け出したうま味ととろみで濃厚な味わいになっています。
「コラーゲンを摂りたいけど油っぽいのでは」という心配もご無用。煮込むことで余分な脂を何度も抜き、ベースとなっているトマトの酸味で、さっぱりと仕上げられています。手間暇かけて作られたパイカライスは、バランス良く栄養素を補え、それぞれの食材からのおいしさがぎゅっと詰まった一皿です。

「栄養を摂りたいときは、めんどくさいことをすすんでしたほうがいい。」と話す工藤さんの笑顔が印象的です。

工藤 博子さん

病気予防には、昔ながらの知恵がつまった料理が一番！
旬のものを中心に、漬物や味噌汁などの発酵食品を一品加えるだけで、健康を意識した食事に生まれ変わります。