黒石市の中町、こみせ通りにある重要文化財、
高橋家にやってきました。
江戸時代からある貴重な建築物ですが、
中は喫茶店として営業しているので、気軽に入ることができます。
のれんが出ていれば営業中です。
珈琲や紅茶もありますが、私は「しそジュース」をいただきました。
なつかしのキャンディ「小梅」のような、
甘酸っぱいお味で美味しかったです。
あんみつや、お汁粉なんかもありますよ~。
中に入ると、「高橋」の暖簾が。
ここは通り土間です。私は初めて見ました。
お客さんが土を置いていく(靴についた土が積もっていく)ので、
入口のところだけだんだん盛り上がってくるそうで、
そこだけ定期的に削ってらっしゃるそうです。
沢山の人が踏みしめた土は、かた~くなっています。
これは「高窓」といって、今ではほとんど見られない
つり下げ式の障子窓です。
空気の入れ替えや、明り取り、煙出しに使います。
吊るし掛けてある紐をひっぱって開け閉めします。
今もきちんと機能を果たしていました。
こうやって、ぱたぱた開け閉めします。
高いところの窓も、こうすれば開け閉めしやすいですもんね~。
昔の人の知恵ですね。
高橋家は、代々「理右衛門」を名乗る黒石藩御用達の商屋で、
主に米を扱ったことから、屋号を「米屋」と言うそうです。
伝えられている小文書によると、中町に住み着いたのが享保2年(1717)、
宝歴5年(1755)に現在の屋敷を購入したそうです。
高橋家の歴史についてはお店にあるパンフレットに載っているので、
ぜひ実際に行って、コーヒーでも飲みながら読んでみてください。
ここは、お店の人以外は立ち入り禁止のお部屋。
江戸時代には部屋にもランクがあり、来賓用の部屋には
細やかな細工が為され、女性や子供の部屋はつつましい造りになっています。
下の写真の窓のところは「月見の部屋」といって、
毎年十五夜になると、窓からちょうど月が見えるのだそう。
はしごや階段がなく隠し部屋になっており、
こっそりお月見(デート?)を楽しむ場所だったようです。
風流&ロマンチックな感じですね~。素敵!!
高橋家は、上がけやき、下がヒバで造られています。
天井はわざと湾曲した造りになっていて、地震などの時に
クッションになるので、耐震性はバッチリ。
ヒバも、カビや虫に強いのは今でこそ有名ですが、
当時そこまでわかっていて造ったのならすごいですよね。
その為か、300年経っているとは思えないほど、
家の中も外も痛みが少ないです。
黒石市のこのあたりは幸いにも空襲に見舞われず、
地震も少ない地域だったため、高橋家は
丸ごと綺麗に残っているのだそうです。
また建物自体がしっかりしているため、生活に必要なものは入れていますが、
家の直しが一度もなく、当時の造りがそのまま残っています。
全国に高橋家のような重要文化財は数多くあるのですが、
このような例は非常に稀だそうです。
災害に見舞われなかった幸運と、当時の建築業者(?)の
高い技術のおかげですね。
お庭でお茶を飲むこともできます。
お庭も造りこまれていて、高橋家の外観と、古い通りに
マッチしていて、とっても素敵です。
↑松(多分)のうねりぐあいがカッコいいです。
今回の取材で、写真をたくさん撮ったにもかかわらず、
なんと正面の写真を撮り忘れました。
なんという失態。すみません。
外観は結構低めのお屋敷なのですが、
中は吹き抜けなのでかなり広く感じました。
みなさまもぜひ一度行ってみてくださいね。
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