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なぎさなおこ

愛情食育料理家

なぎさ なおこ氏

株式会社フードコミュニケーション代表取締役。病気予防の食事をコンセプトにした野菜中心の家庭料理が人気の「なぎさカフェ」代表兼シェフ。食に関わる豊富な経験・実績から、飲食店のプロデュースや、企業のレシピ作り、アスリート向けのスポーツ栄養指導など、各種教育機関や施設での食育講座や料理教室の講師を務める。

浄法寺朝生

材 株式会社

淨法寺 朝生氏

材 株式会社代表取締役。県内企業のマーケティングや事業再生、商品開発等の支援を多数手がける中、自らも地域課題・社会問題を解決するための事業を展開。5社の経営に携わる。債務超過状態の組織を、人を変えること無く再生させてきた実績を元に、社会貢献と収益化を両立させた継続的な地域貢献事業の経営・支援を行っている。

前回(2014年)の対談から4年。
その間にお互い会社を立ち上げ環境の変化があったものの、日本や青森の魅力を発信できる人材を増やしたい、という思いは変わらないようです。同年代同士だからこそ話せる、本音満載の対談です。

日本の食文化や歴史、面白さを伝える

浄法寺:なぎささん、今日はよろしくお願いします。

なぎさ:よろしくお願いします。

浄法寺:最近日本の魅力について考えているんですけど、なぎささんにとって、日本の良さって何だと思いますか?

なぎさ:私はやっぱり和食とか、食文化ですね。
今年は特に、アスリートの食事を強化してやっています。経営者ですごい人って、食生活や健康面にこだわりがあって気を付けている人が多いですね。そこから、"強い戦国武将は何を食べて来たのか?"を結構調べています。

浄法寺:あっ、それ面白い!
強い戦国武将は何を食べていたんですか?

なぎさ:戦国武将は味噌を備蓄しているんです。信玄味噌とか、仙台味噌とか、強い武将がいるところにはそれぞれの味噌があるんですよ。

浄法寺:大豆発酵系!

なぎさ:そうです。保存もできるし、スタミナもつくし、ちゃんと食料を備蓄したり食のマネジメントが出来ている人が強い。だから、日本が強くなるためには食のマネジメントをそれぞれ個人ができるようになること。これこそが、日本が強く生き残れる秘訣じゃないかな。強い人の食事をもっと伝えていきたい。

浄法寺:世界に「サムライは刀とちょんまげだけじゃないよ」と。

なぎさ:だから、"サムライキッチン"とか"サムライフード"という感じで、日本の食文化をかっこよく、かつ日常に取り入れやすく伝えていきたいな。

浄法寺:いいですね、麹がどんな発想で生まれて、なぜそこから味噌に繋がって日本中に広がったのかとか、歴史文化という側面からも興味引きそうです。味噌おいしいですしね。

なぎさ:「日本の食卓を本気で変えるぞ!」という気持ちは、年々強くなっていきますね。私しかいないんじゃないかなって(笑)食の研修を通して、食文化や歴史、面白さなどを伝えていきたい。

浄法寺:それはすごくいいな。日本の良さを、食というアプローチから伝えていく。保存食文化、発酵文化・・・

なぎさ:それから、乾物文化も。私、そうとう乾物を使います。震災にも強い。普段からそういうのを使い慣れていると、冷蔵庫などが使えなくなっても困らないんです。だから、3、4日ガスが止まろうが、乾物と米と味噌があるからいいかなっていうくらいの気持ちの余裕をみんなが持っててほしい。

浄法寺:火おこしとか(笑)

なぎさ:そうそう、今年はイベントで火おこしもやりましたね(笑)自然児社長二人がそろって火をおこし、肉を焼き、米を炊き・・・やっぱり生きる力は食べる力ですね。今後は、大学生に味噌を仕込ませようと思っています。1年生が食べるために4年生が仕込む。

浄法寺:"ペイフォワード味噌"おもしろいな(笑)味噌フォワード(笑)

なぎさ:大会で連覇しているような強いチームの"勝ち味噌"という感じで、「うちの選手たちのチカラめしはこの味噌で、代々先輩たちから受け継がれている」という面白い食文化や、楽しいアクティビティを残していけたらいいなと思っています。そういう本物を子供たちに食べさせていきたい。青森の調味料文化も絶対あると思うから、そういうのをもっと伝えてつなげていきたいです。日本人の昔からある食文化もそうだけど、いいものはいっぱいあるのにそれを消しちゃうのは本当にもったいないです。

今回の対談は三沢ホースパークで行った。食と乗馬のコラボイベントで何度も訪れているだけあって、馬たちとも仲良し♪

時間があれば戦国武将ゆかりの地を訪れることもしばしば。これは高野山に精進料理の勉強をしに行った時に立ち寄った善名称院にて、真田幸村の甲冑と。

この夏開催した"サバイバルBBQ"イベントでは、参加した親子に自然児社長二人が火おこしやBBQの極意を伝え、大いに盛り上がった。

インカレ連覇中の青森大学男子新体操部の勝ち飯プロジェクトでは、1週間で約1,000食を作った。ケガをしない体づくりのために食でサポートする。

適材適所に人を配置する

浄法寺:もったいないと言えば、私たち4年前に対談している時も話していましたが、一番もったいないのは悩んで動けないでいる「人」だと思います。才能に溢れているのに才能が発揮されていない。もやもやしている人が凄く多いんですよね。それで考えてみたんですけど、何かしたいけど何をしたらよいか分からない人には"事業承継"がおすすめですね。設備、売り先、お客さん、ノウハウがあって、ないのは後継者だけなんですよ。だから、昔から続いてきた会社のあとを若い人が継いで、クラウド化とかIT化とかで効率化を図って純利益を上げて、結果、所得が増えるという構造を作っていかないといけない。ただ、自分で会社を選んで会社を継ぎたいと交渉するのは難しいから、エリアでそういう仕組みを作っていかないといけないって思う。
今まで素材で売っていたものをしっかりブランド化して付加価値をつけて売るという流れに、もやもやしている人材があたる。

なぎさ:適材適所に人を配置する、って感じですよね。今までのルールとまた違う感じで、これはこの人がやった方が面白いんじゃないかとか、素直にバトンタッチできる仕組みがあったらいい。

浄法寺:今までの経営者は積極的な人がなっていたけど、もっと自信のない人がなっていくという流れを作りたいなと思っています。
「できない、できない」と言ってめちゃくちゃできる女性が多いんです。そういう女性に自信をもってやってほしいかな。もしくは、男性が女性をサポートする起業ですかね。

なぎさ:支える人がいればいいわけですからね。

浄法寺:そうなんですよ。だから、"自信がない、できない、でも本当はできる人"を支える仕組みがあればいいんです。
例えば、総務・労務を一括受託してくれる地域の会社だったり、マーケティング機能をやってくれる会社だったり。
田舎の経営者ってなんでもできないといけないじゃないですか。でも、事業運営だけに特化していって、その他のことは周りがやってくれるサービスがあれば、会社の起業にもつながりますし。

もやもやしていたら、まずは1人助ける

なぎさ:テーマがシェアになってきていますね。
4年前に対談した時はそれぞれが成長して、という感じだったんだけど、今は人材が少なくて物とか素材は沢山あるから、多いものはシェアしながら人材も才能も共有していくことで、逆に一人一人がリスクを抱えなくてもいい時代になってきているのかなと思います。

浄法寺:そうですね。昔は所有欲みたいなのがあったじゃないですか。「ベンツに乗りたい」とか「でっかい家に住みたい」とか。
今ってそんな人いないですよね。

なぎさ:車をシェアする時代だし、前回対談した時はメルカリなんかなかったと思いますよ。そういう風に誰かが要らないものを誰かが必要としていて、それをシェアしやすい時代になってきているから、起業のリスクも以前より低いんじゃないかなって。
もし起業してだめになったとしても、どこかしらで自分を活かせる場所が必ずあるということに気付いてほしい。失敗したら経営者じゃなく、雇われる側にまた戻ってもいいんじゃないみたいな。

浄法寺:チャレンジするかしないかで、成長するかしないかが決まる。
だから、地域のために何かしたいけど何したらいいか分からない、もやもやしている人は早く何かをしてほしい。

なぎさ:「私に何ができるの?」というより、「とりあえず動いてみよう!」ということですよね。1個でもいいから地域課題解決してほしいですよね。隣のおばあさんを助けるところからでもいいし。

浄法寺:そうなんですよ。ゴミを拾うところからでもいい。できるところからコツコツとやっていくと、人を助ける能力が上がっていく。

なぎさ:"地域"だと漠然としているから、まずは"誰"を決める。

浄法寺:経営者を継ぐのならその会社の社員だし、自分の家族もそうだろうし。

なぎさ:子育てでやりたいのなら、まずは隣に住んでいる子だったり。

浄法寺:それが隣の人、町、エリアとなって、最終的に地域になる。

なぎさ:やっぱり、まずは動く。やってみないと見えてこない。だから、地域課題が何だっていうのであれば、とりあえず1人からでもいいからちゃんと助けてみることですよね。

外に出て中の良さが分かる

浄法寺:青森はどうなればいいんですかね?

なぎさ:視野を広げて、青森の外に出て行ったり中に入ったり、と誘導しないといけないですね。

浄法寺:外を見たうえで中も見てほしいし、中のいいところを外に発信できるようになってほしい。

なぎさ:ずっと青森にいると決めなくてもいいですよね。
青森で起業してだめだったらどっかに行ってもいいし、どっかで起業してだめになったら青森に帰ってきてもいいし、ずっと青森に住む必要はなくて、外に出てみたからやっぱり青森がいいなって帰ってくることもありだと思う。

浄法寺:そうそう、ずっと青森にいることが地域貢献ってわけじゃない。
さっきの起業で言うと、地域活性をしようとしたら外から稼いで売上を上げて中で使う、というのが一番なんだけど、実際は中で儲けようとする人が多い。
青森県というエリアでターゲットを絞っている時点で、勝手に市場を6千分の1にしている。さらに、自分の街となるとたぶん何万分の1。本当は何万って可能性があるのに、ターゲットを狭めているので起業できない、もしくは起業してもすぐつぶれるんです。

なぎさ:地域活性の意味をはき違えている。
地域に残って、地域でがんばることが地域活性、と思ってる人たちがすごく多くて、もちろん地域の人を楽しませたり、青森で満足できるようなサービスを提供するのは大事なんだけど、でも視野がそこじゃ遅いよね、やばいよね、ということにもっと気付いてほしいですね。

浄法寺:だから、けっこう厳しい言い方をすると、地域貢献だと言ってサービスの質が悪くても勝てるところだけで勝負しているというか、他の人に負けるサービスしか提供してないから地域で儲けようとするという、それは地域貢献を言い訳にしているんだけど。
世界に出ていけるくらいの質でやっていって、外から中にお金を持ってくる人がたぶん英雄だし、そこから青森で雇用して所得を上げるっていう流れが一番エリアにとって価値だと思う。

なぎさ:全国とか世界に共通するサービスを作っていかないと、生き残っていけないなという感じがあるので、起業セミナーではそこをもっと強化していったらいいなと思います。
今後は女性の本質的な起業家を増やしていきたいし、そういう仲間ができたらいいですね。女性ならではの細やかな気配りがあると思うし、子育てをしながら仕事をするって全世界共通で大変じゃないですか。それが分かるからこそできるサービスが絶対あると思うから、もっと女の人に表に出てほしいです。

浄法寺:私も応援しています。
今日はありがとうございました。

なぎさ:ありがとうございました。

その土地の歴史や食文化を知ることは欠かせない。地域の人たちとの出会いが、次の出会いへつなげてくれることも多い。

年初めに、精進料理を勉強、禅の心を身につけるべく、ずーっと行きたかった高野山にて修行。"その土地や歴史や文化を感じながら食べて、その土地の神社仏閣に手を合わせる、感謝して、感動する。"ということが、なぎささんのライフワーク。

ご子息と一緒に上杉謙信と武田信玄が戦った川中島へ行くほど、なぎささんは大の"上杉謙信"好き!強い人の食事や健康管理などがとても気になることから、名だたる戦国武将たちの食の好みや、当時は何を食べていたのかを妄想したり調べたりすればするほど、その面白さにはまっていくそうです。

この日は、「南部どき」の代表 根市大樹さんも三沢ホースパークを訪問してくれました。青森の同年代の起業家3人が集まっただけでこの笑顔!様々なアイディアが出てきて話が尽きません。



なぎささんとは以前から親交があり、今年は三沢ホースパークで定期的に開催している食と乗馬のコラボイベントを通して急激にお話しする機会が増えました。打合せする度に、とても芯が強くクリエイティブでブレない人だなぁと思っていましたが、4年前の対談でお話しされていた思いや意志と、今回の対談内容がほぼ同じだったことから、自分軸を持っているからブレないのだと納得しました。この日は南部どきの代表 根市大樹さんも三沢ホースパークを訪れてくださったので、対談前に同年代の起業家3人で撮影しました。目的と覚悟を持って生きている人たちは、なんてかっこいいのだろう!(種市)