_対談一覧


青森の魅力について語る人☓人魅力対談

対談001:
青森の魅力特派員☓県内WEB制作会社


青森の魅力をwebでどう伝えるか ~伝えられるもの・伝えられないもの~

撮影:特派員kayoさん

株式会社コンシス

大浦 雅勝

弘前市のWEBコンサルティング専門会社を経営。


エイチピースタイリング

高森 三樹

WEB標準仕様によるホームページ制作。


株式会社Jサポート

浄法寺 朝生

地域の課題を考え教育とIT、人の力で改善を目指す。


就職支援センター

米田 大吉

雇用・経営・人材育成。多様な目線で様々な問題に切り込む



米田:まず、WEBの特性 伝えるためのWEBの得意分野とは?

(※本音) 私の場合ネットよりもとなりのおばちゃんの話の方がよっぽど信用できると思っちゃうけど…

大浦:WEBコンサルタントという肩書で活動していますが、コンピューターが得意な人を「100」、苦手な人を「0」とした時に、「100」の人にしか分からない当たり前な事や常識で考えてしまうことがあります。コンピューターを分からない「0」の人に対してどうやって伝えるかを日々考えています。デジタルよりアナログにいかないとバランスが崩れるのではないかと思います。

高森:すべてをWEBでやらなければならない訳ではないと思います。必要であればチラシや新聞広告など他の媒体をオススメしています。だから視野を広くするためにもWEB以外の業界の知識が必要だと感じています。隣のおばちゃんが信用できるというのは一理あって、SNS(口コミ)が広がっていて、企業側やサービスを提供する側の情報ではなく、サービスを受けた側が情報を提供するという流れになっています。ユーザーの意見を取り入れてみたり、ユーザーに投稿してもらうなど周りの人を巻き込むような伝え方をするのが、WEBの今後の流れになっていくと思います。

浄法寺:私は、WEBで(ある意味)すべて伝えられると思っています。「伝わる・伝わらない」の境界線は、ツールではなく、根本的なコミュニケーションが出来ているか?文字と写真で、どこまでそれを伝えることができるか?ではないでしょうか。ホームページ更新担当者を例にすると、ただ技術があるというだけでなく、隣でメモをとって目を見て吸収してくれて、何を伝えようとしているかをくみ取ろうとしてくれる人が本当の更新担当者ではないかなと思っています。そういう意味でも、WEBというツールは、伝える側によって伝わるものにも伝わらないものにもなると思います。


米田:WEBだと伝えにくいもの(匂いや手触り)に対して気を付けていることは?

大浦:匂いや手触りは現物やサンプルなどを送ったりして対応していると思います。流通関連事業者の話では、インターネットの先の物流には運送屋はやはり必要で、安い価格の輸送手段を利用して、少しでもWEBで伝わらないことが無くなるような努力は色々な所でされています。

高森:匂いに関する資格の検定を自宅でさせるのに、WEBで連動するという機械を見たことがあります。ただ一般的ではないですね。すべてをWEBで表現するのは難しい部分はあると思いますが、時代は変わってきて、例えば今では電子書籍などが普及してきていますね。インターネット経由で本を注文できたり送れたりするのは数年前では考えられなかったことであるけれど現実になろうとしているのは、確かな変化だと思います。今はできないことがどんどん実現できるようになっているのも確かなので、いろいろ可能になることを念頭に置いて、先々を考えることが必要だと思います。

米田:先ほど、他のツールの方が良ければおすすめする場合があるとおっしゃっていたが、色々な知識が必要なのでは?それって大変でしょう?

高森:逆に知らないからいい場合があります。例えばロゴやCI(コーポレートアイデンティティ)に関して、やったことのあるデザイナーの方にお任せした方が、専門的なのできちんとした仕事で返してくれます。知らないからできないのではなく、人のつながりがカバーしてくれるんですね。


米田:そもそも「伝えたつもりが伝わっていない」がWEBでは起こりやすいのでは?

浄法寺:むしろWEBより言葉の方が伝わりにくいと思っています。話をして伝わっていると思いこんでいるけど伝わっていない。熱い思いだけでは伝わらないけれど、ジェスチャーや目で訴えかけたり、体を使ったり音楽だったりの表現や普段からの意思疎通が必要で、そこを抜かして言葉だけやWEBだけで伝えようとすると伝わらないけれども、そこができた上でなら言葉やWEBでより伝わりやすくなると思います。メモと同じで形でずっと残っているし、言葉と違って消えないし広範囲で不特定多数の人に伝わるという面ではむしろ優れているのではないかと思います。この根本的なところができていないと「伝わらない」ということが起きるのではないでしょうか。バーチャルの中でだけ完結するのではなく、その先に人がいるというのが大事です。

高森:WEBの弱みで考えると現実の方がいいが、逆に強みで考えてみると議事録として残せる、共有できるのでそこは伝えようだと思います。

大浦:WEBは議事録と同じで、やったこと自体が伝えることと保存すること両方なし得てくれるので効率がいいです。他方、大事な事をWEBで済ませるモラルの欠如は問題だと思います。メールだけでなく電話もあるのだから、目的を達成するのに最適なものをその場その場で選ぶことが必要。やるべきミッションがあるのであれば、それに必要な判断が問われてくるのではないかと思います。


特派員:私たちが魅力と思うものが他の人にとって魅力ではないかもしれないので、とても心配なのですが・・・どうお考えになりますか?

浄法寺:ガイドブックに乗っているから「すごい!」ではなく、その背景やストーリーなどを知ることによって「すごい!」と思うかもしれない。何も知らずにそのものだけ見てもすごいと感じないのではないのでしょうか。そう考えると多くの情報を伝えるということも必要だと思います。他の人が自分と同じように感動しなくても、今まで当たり前だと思ったことが、違う見方ができただけでもすごい成果だと思うのですね。自分が少しでも魅力じゃないかと思ったなら、他の人にどう捉えられるかを恐れずにどんどん投稿してほしいです。

米田:建物自体ではなく、その土地のノスタルジーや思い入れで来る人もいるでしょうね。

高森:人によってはツボにはまるかもしれないので、自分がつまらないと感じでも他の人にとっては価値があるかも分からないし

本当に価値がなければ自然に消えるなど淘汰されていくものだと思います。情報を集めて出すことに意味があるので、他の人に価値が分かるかどうかは心配しなくてもいいと思います。

大浦:まったく心配する必要はなく、必要だと思った人が必要だと思えば良いと思います。私は、個人的に他の人に旅行に関する次の質問をする時があります。「今までに思い出に残っている旅行に関して、何が思い出に残っていますか?」という質問をぶつけると、大抵の人は情報誌を見て行く観光地ではなく、人や食べ物、その場での偶然などが思い出に残っている場合が多いんですね。行くための動機付けは情報誌かもしれないけれど、結果的に心に残って「また行こう!」と思うのは「あの時会った人にもう一度会いたい」だったり「その人がいるからその土地が好き」だったり・・・それが青森でもいいと思います。情報発信自体に無駄はなく、あくまで一つのトリガー(きっかけ)の役割も果たしていると思うのでどんどん情報は出した方がいいと思います。


米田:WEBで上手に伝える大事なポイントは?

浄法寺:自分の能力を活かすことだと思います。この座談会やサイト自体が学びの場になっているので、気づき合って高め合ってほしい。均一のクオリティは求めていないし、自分の得意なところを突出させて欲しい。自分の魅力に気づいてほしいし、それがこの事業の核心に触れるところでもあるのですね。みんな自信を持って発信してほしいです。

高森ユーザーに聞くことですね。どうやったら見てくれるのか、何が好きかどんどん身近な人に聞いてみるのが一番いいと思います。ギャップは必ず出てくるので、その結果をもとにサイトや原稿を作るのがいいと思います。

大浦きちんと目的を持って作ってほしいですね。見てユーザーがどう思うか、どうアクションを起こしてほしいか。他の人や隣の人に聞いてみるのがいいです。また、優良サイトを見てみて、自分でなぜいいと思ったか、クリックしたいと思ったかを考えてみるのもいいと思います。文章の構成、写真の撮り方、見せ方、流れなどいいものは真似してみるのがいいと思います。