今回は同事業所に勤めている成田君・市前さんと、8 月11 日に五所川原市の津軽金山焼に体験取材してきましたので、それをレポートしたいと思います。
初心者でも安心!
午前9時半に津軽金山焼に到着して、朝一番から成田君に陶芸のビアグラスの「手捻り作成体験」に挑戦してもらいました。マンツーマンで講師の方に教えていただけるので、初心者でも全然作れるのだそうです。
「手捻り」とは、「電動ろくろ」を使わない陶芸です。写真は左側が同僚の市前さんと、右側が講師の中鉢 徹さん。中鉢さんは東京出身の方ですが、五所川原のこの地で陶器の新しい産地を形成したいと一家で移り住んで来たお方です。んー色男ですね!
★ 作り方です
工程①
まず台に「玉造り」といわれる技法でカップ状のものを作り、それの背を伸ばしていきます。
工程②
次に「ひも作り」といわれる技法でカップ状のものに高さを足していく訳です。初心者のビアグラスだと、この「ひも作り」を乗せる作業を二回ほどして三段積みします。
中鉢さんのお話では、どんな大きな花瓶などもこの作業を繰り返して背を高くしていくそうです。縄文土器などもこの技法で作成されていたそうです。「電動ろくろ」では、腕が入るまでの大きさしか作れないのだそうです。そのため「ひも作り」は初心者から陶芸家まで、また陶器が存在する世界中どこでも日々行われている作成技法ということでした
工程③
形を形成します。コツとしては支点とする中の手はそのままに外の手で器を押してあげると良いそうです。リズムよく「ろくろ」も回してあげましょう。
工程④
次に形の整形に入ります。濡れタオルでつなぎ目のを綺麗に消していきます。中鉢さんの話では、この時「ジュースが浸み出してこないように」と子供たちに促すと、ジュースがなくなるのは嫌だと本当に一生懸命に整形するそうです。僕もビールが減るのは嫌なので整形時は頑張ります。力の入れすぎ注意です。割れ目が入ります。
工程⑤
綺麗になったら、グラスの口の整形です。割り箸と専用の「弓」と呼ばれる器具で、グラスの口の低い位置に合わせて切ります。
工程⑥
さらに「おしり」の整形です。焼き鳥の串みたいので、すぅっと「ろくろ」を回してひっくり返して、綺麗に取れます。
工程⑦
飲み口の整形です。濡れタオルで三回ほど「ろくろ」を回して整形すれば、
ほら出来上がり!!
新しい名産地
日本の焼き物の有名産地は、最古の備前焼で1000 年。もっとも新しい益子焼で200 年。津軽金山焼は、まだ25 年の歴史だそうです。産声を挙げた赤ちゃんのようなものです。しかし中鉢さんを含め働いているスタッフは、ただ焼き物を製作して生活の糧にしているのではなく、津軽金山焼を「日本の焼き物の新しい産地としたい」という大望を持って活動してらっしゃるそうです。津軽金山焼が、日本の焼き物の新しい産地として成長していくための武器も充実しております。中鉢さんを始めとする人的資源の他にも、窯からほどない所にある「大ため池」から採取される埋蔵量豊かな良質の粘土は、焼き物年間生産量を有名な焼き物の生産地と同程度にしたとしても、500 年は製作し続けることができる量なのだそうです。また「大ため池」の湖底から粘土を採取するため、山間の地層から採取する他の生産地よりも比較的採取が容易だそうです。
また青森県の豊富な木材資源も、まき木を大量に必要とする焼き物には適しているとのことでした。東京から移住してきた中鉢さんが「資源が豊富」と話していたのが大変印象的でした。
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