高齢者の救世主
~喫茶店を続けるそのわけ~
レトロだから味がある喫茶店。
弘前の土手町を歩いていると「M.M.C珈琲館」とい看板のお店が見えてくる。
まわりに新しい建物があるなかでこのお店はレトロな雰囲気が漂っており、中に入ると外観を裏切ることなくオレンジの照明と落着いたインテリア、そして女性のマスターが笑顔で出迎えてくれる。
作る工程が楽しい喫茶店。
珈琲とケーキを頼んだところ、このお店ではドロップ式と並んで良く知られる珈琲の抽出方法の一つであるサイフォン式で珈琲を入れて下さった。ドリップ式に比べて手技による抽出ぶれが少ないため味の再現性がよく、抽出時にコーヒーの香りが強く出るそうだ。そして、器具の形状や抽出のときの湯の動きから理科の実験を連想させる独特の雰囲気を醸し出してくれる。
ケーキはアップルパイとチーズケーキがあり、私が行った時にはもうすでに売り切れだったのだが、アップルパイは一日5個の限定品らしく午前には完売するという人気商品だそうだ。また、チーズケーキもさっぱりした味わいで、珈琲のお供に是非お勧めの一品だ。
大きな焙煎機がおいてある喫茶店。
そしてなんといってもこのお店が他と違うのは豆をその場で買えること。
ブルーマウンテン、キリマンジャロ、マンデリン、そして独自でブレンドしている豆などを自家焙煎しており、大体100g580円で珈琲豆を売っている。
おじいちゃん、おばあちゃんが集う喫茶店。
朝とお昼に訪れるお客さんが多いらしいのだが、ほとんどが50代以上のお客さんだそうで、26年このお店を続けて思うことは、「青森って高齢化で年配の方が多いのに、最近新しいお店や建物が増えていて年配の方が落着いて入れる場所が少なくなってしまったんだよね。だからそんな年配の人が気軽に入れるこのお店は、続けなくてはいけないの。」と明るく笑うマスター。
色んなデザインのお店や空間を提供しているお店も大事なのだが、私は、弘前の人のためにとお店を開き続け、毎日笑顔で出迎えてくれるマスターこそが、一番のこの楽しい空間を提供してくれているのではないかと感じる。
こんな心が温まる空間こそ弘前には大切なのだと思う。
M.M.C珈琲館のメニュー
フレンドマイルドタイプ 400円
アメリカン 450円
チーズケーキ、アップルパイ 400円
ホットドック 480円
不定休・閉店時間5:30~6:00
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