伝統行事「お山参詣」
古くから津軽人の信仰の山であった岩木山。そして岩木山の南東麓にある岩木神社もまた長く津軽の人々に愛されてきた。
その岩木神社で津軽最大の秋祭り「お山参詣」が行われた。
集団で岩木山に登り、旧暦8月1日(平成22年9月8日)ご来光を拝む伝統行事で、五穀豊穣と家内安全を祈願して行われる。
また、祭りは三日間行われるのだが、旧暦8月1日の前の日には、津軽地域の村落や地区から集まった人々が、
笛、太鼓、手平鉦(てびらがね)によって奏でられる登山囃子に合わせて、
「サイギ、サイギ・・・」と唱えながらでかくそびえ立つ旗を持ち徒歩で岩木山神社へ向かい、供物や幟などを奉納しするのだ。
私は初めてこのお祭りを生で見たのだが、普段はあまり見ることのできないような長い旗を持ち迫力ある太鼓の音と長く続く行列は今迄見たことがなく、ただただ圧巻だった。
鶴田の伝統を守り抜く
その中でひと際気になる団体がいた。
「やま」と描かれた青いはっぴを着ている老若男女が皆、本殿前に集まり何かをしているではないか。
気になり聞いてみると、青いはっぴを着ているのは鶴田町の方々。
鶴田町では3年に1回しめ縄を奉納し、そのしめ縄を交換をしているのだ。
このしめ縄交換は代々受け継がれてきたもので今年で41年目になる。
鉄のパイプで足踏み場を作り大工の方々が左右対称にしめ縄を取りつけてゆく。
その作業をしているむかえでは笛や太鼓で神に捧げる音を奏で、しめ縄交換を皆見守っているのだ。
私はなぜ鶴田町の方々がしめ縄交換をしているのか気になり聞いたところ
「岩木山は津軽一帯の守り神だから岩木山から近いとか遠いとか関係ないんだや。強いて言うならしめ縄を作る素材があったことだべか。
ずっと続けてきたものなんだばって最近若い衆がいなくなっていまってな。だばって、これは鶴田町の誇りだし代々受け継いできたものだから途中で伝統ば止めるわけにはいかね。」
と笑いながら町内会長の一戸信行さん。
若者が減少し、跡取りがいなくなりながらも伝統を守るため頑張り続ける津軽の人々。
昔から津軽人は雪の凍てつく寒さにも負けず辛抱強いといわれてきたが、やはり津軽の人々は我慢強いんだな。と改めて認識させられた。
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