一昨年まで17年連続で地域型共通商品券の発行額全国1位を誇る
“はちのへ共通商品券”。市民にとって贈答用として馴染み深い
存在である“はちのへ共通商品券”を平成元年の発売開始当時から、
事務局として発行・運営に携わってきた神山さんにお話をお伺いしました。
はちのへ共通商品券協同組合 事務局 神山久美子さん
交通網が整備され、商業の都市間競争が激しくなり、
この八戸市の小売業は厳しい環境に追い込まれてしまいました。
そこで、当時の「八戸市中心商業街区活性化研究会」が、
地域内経済の循環と、地域経済の活性化のために考えたのが
“はちのへ共通商品券”です。
地域経済の発展のため
全国的に、地域型の商品券というのは数多く存在しますが、その多くは
中心商店街が中心となり発行、既存の商店を守るために大型店では
使えないという不便な面がありますが、“はちのへ共通商品券”は、
当時の橋本昭一理事長の「地域経済の発展のため」「お客様第一」という
想いのもと、大型店でも使えるようにしました。
そのため、中心街だけでなく八戸市の広い範囲で利用が可能となっています。
また、利便性を第一に考え、小売業だけでなく、ホテル・宿泊業や
レストランなどの飲食店、タクシー・運送業など幅広く使えるようにし、
また、利用時におつりを出すことを加盟店さんの協力のもとに行っています。
歩み
平成4年に発行額が4億円を超え、それ以降は6~7億円の発行額となっています。
昨年(平成21年)は定額給付金が支給されたこともありましたので、
プレミアム付商品券の発行を行いました。プレミアム付商品券だけで
11億円の発行額となり、トータルでは18億円超えの発行額となりました。
ただ、お金と商品券は等価交換であるために、かなりの販売額を達成しても、
利益は確保できません。利益が無い現状でどうやって運営をしているのか?
というお話になるかと思いますが、運営は、会費や出資金によって行われています。
そもそも、利益を目的としておらず、“地域経済の循環”“地域経済の活性化”という
想いから発行に至ったわけですから、それだけの大きなお金が八戸市で
使われているということを促進できているということに意味があります。
発展の道のり
平成8年4月より就任した石橋弘造 前理事長は、全国共通商品券連絡協議会の会長を務め、
その組織の発展にご尽力されました。
また、“はちのへ共通商品券”を全国的に広める活動をされました。
平成15年8月、現在の橋本精二理事長は、組合の財政基盤を確立するために、
換金などの料率変更を行いました。料率変更により、商品券の発行費や、
包装費などの維持費を充実させ、自力での運営をより可能としています。
また、地域への想いから、五百円券には新幹線八戸駅開業に合わせて“新幹線はやて”、
千円券には八戸のシンボルである“蕪島とうみねこ”のイラストを用い、
より一層市民に親しまれ、使用拡大につながっています。
私の想い
私は、この仕事を通じて様々な人と出会えたことが財産です。
若い世代へ想うことは、“人として魅力的であれ”
“会話が出来る人間であれ”ということです。
人との出会いを通して、人の話を聞く姿勢や、人に話しをする姿勢が
学びであると感じています。
誠心誠意、人と向き合う。
その積み重ねが“魅力ある人間”へとつながって行くと考えています。
取材当日は、神山さんのお誕生日という嬉しい偶然がありました。
誇れるもの~sdu編集後記~
一昨年まで17年連続一位という数字が八戸市にあるということが
すごく誇りに思えるのと同時に、その背景にある、利用者の利便性を
考えた姿勢が存在しているということ、また、誠心誠意、人と向き合うことを
第一に考えて行動してきた方の存在があるということに誇りを感じます。
「先輩や先人の知恵や言葉には意味がある」という言葉。
取材中に神山さんが何度かお話しになった言葉です。大切にしていきたい言葉です。
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