「街の駅 あるびょん」で挑戦する人
~越後谷 柾巳(えちごや まさみ)さん~
「思ったとおりにいかない、それを工夫するのが楽しい」
「ファームECHIGOYA」の越後谷柾巳さんは高校卒業後に営農大学校に入学。
卒業以来、つがる市木造館岡(きづくりたておか)で稼業の農業に携わってきた、筋金入りの農家です。畑とハウスで、野菜の苗のほかに、すいか・メロン・お米・ねぎ・ほうれん草などを栽培しています。
すいかもメロンも、土作りが肝心
越後谷さんの畑では、すいか作り、メロン作り、堆肥作りと、3年サイクルで畑を使います。堆肥作りは「グリーンソルゴー」という種を6月に蒔き、2mくらいまで伸びた苗を土の中へ鋤(す)き込む作業を9月に行います。
成長しすぎると鋤き込みが難しくなるため、背丈をのばさない方もいるそうです。肥料を使うよりも手間ひまかかる仕事ですが、土の中に微生物が入ることで、質の良い堆肥が出来上がります。この土で作られた「ファームECHIGOYA」のすいかやメロンは、一般的なサイズよりもひとまわり大きいのが特徴です。
人とのつながり
兼業農家から、現在のように農業に専念できるようになるまでには、不思議と人とのご縁があり、越後谷さんが「こうなったらいいな」と思い描くとおりに徐々に環境が整っていったそうです。
今から15年前の1995年、冬場に市内ホームセンターのカー用品売り場で働いていると、園芸部門を盛り上げたいという話がありました。同僚に友人の奥さんがいたこともあり「やってみようか」と、翌シーズン仲間内3人でメロンとすいかを販売しました。そうすると予想を大きく上回る、1週間で100万円という売上を記録したそうです。
見た目と味は比例しない
「味は美味しいのにな、と思う」
堆肥作りから手間ひまかけて育てた味には自信のあるメロンやすいかが、卸す時には
見た目で判断されてしまう悔しさ。農家の皆さんが味わうことなのかもしれません。
越後谷さんは、ホームセンターでの販売経験を足がかりに、3年後には五所川原市のイトーヨーカドーでも対面販売を始めました。買う側にも生産者から直接買える安心感があります。自宅用には完熟を、贈答用にはとれたてを、と目的に合わせておススメするそうです。
これからの旬は、ねぎ!
越後谷さんは農産物の生産販売のほか、地域活性化の取り組みにも参加しています。つがる市木造の木造駅から徒歩8分ほどのところに街の駅「あるびょん」があります。中心市街地活性化を目的に、空き店舗を活用して2009年にオープンしました。利益追求よりも中心市街地に人を呼ぶためにどうしたらいいか、を越後谷さん自身考えながら、お客さまに喜んでもらえる物を主に卸しているそうです。
秋から冬にかけて旬であるねぎは、
- 赤ひげ
- ちゃんこ葱
- なべちゃん葱
と、いくつか栽培しています。
「規格外」は驚きの大特価!です。ちゃんこ葱は、これから鍋の季節に併せて収穫されます。行ったことがない方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
もちまえのバイタリティで販路を開拓
現在は市場を含む5ヶ所で販売しています。1万4千坪という広大な土地を持っていると、さぞかしお忙しいだろうと思いきや、スポーツジムに通って泳いだりボクシングで汗を流したり、農作業の合間を縫って遠くまでドライブしたりと、活発に動いていらっしゃいます。突然の訪問にも関わらず、快く取材に応じてくださった越後谷さんは、終始笑顔で本当に農業を楽しんでいる、そんな印象を受けました。
来年のすいか・メロンの時期が楽しみです。
越後谷さんが納品している「街の駅 あるびょん」のレポートはこちら
「街の駅 あるびょん」@つがる市木造
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