~弘前だんぶり池とは?~
弘前市の外れに、「だんぶり池」という自然観察用の人工のため池があります。「だんぶり」とは津軽弁で「とんぼ」の呼び名です。以前田んぼだった土地を弘前市が買い取り、弘前大学理工学部鶴見実教授(NPO法人ECOリパブリック白神副理事長)が代表を務めるHEP21(ひろさき環境パートナーシップ21)と共同で管理運営しており、親子で自然観察ができるため池として、市民に親しまれております。とんぼだけでも36種類、また最近では中々見ることが出来なくなった「ホタル」も沢山生息していて、毎年夏になるとECOリパブリック白神主催で開かれるホタル観察会の開催場所にもなっております。
その「だんぶり池」では毎月、HEP21のメンバーの方々がボランティアで池の手入れをしています。今回はそのお手伝いに参加させて頂きました。当日は私達の他に柏木農業高校、弘前実業高校農業経営科の生徒さんや弘前大学農学部の学生さんも参加し、総勢約50名の大所帯でした。杭打ちや草刈り、とんぼ観察等作業内容毎に4つの班に分かれ作業開始です。 私は一緒に参加した事務局の方、鶴見教授と共に草刈り班へ・・・
水中の泥に足を取られ、一歩前に進むのも大変です。
~嫁こだんぶり~
取材当日、生憎の肌寒い天候の影響でとんぼが余りいなかったのですが、休憩時間に虫取り網を借りて探し回り、偶然捕獲したとんぼがこちら。
捕獲した時はありきたりな赤とんぼ(アキアカネ)位にしか思いませんでしたが、HEP21の村田先生(とんぼ観察や自然観察界のカリスマ先生)曰く、非常に珍しくだんぶり池でも中々見つからない「ナツアカネ」というとんぼで、胴体のほか、顔まで赤い姿がお嫁さんが恥じらいから頬が赤く染まっている様に例えられて津軽では別名「嫁こだんぶり」と呼ばれているそうです。卵で越冬するアキアカネに対し、今の時期に産卵し、幼虫のヤゴで越冬するナツアカネはリスクが高くなり、必然的に個体数が減少するとのことでした。
~だんぶり池の仲間達~
ほんの一部ですが、だんぶり池で発見した生き物です。写真上は「オオアオイトトンボ」(個人的にはこちらの方が珍しい気がしますが・・・)、下は「アメンボ」です。
家の近所にこの様な場所が沢山あった昔に比べ、わざわざこの様な環境を作り上げ大人達が手入れをしなければならない現在の状況に少し寂しさを感じざるを得ませんが、だからこそこの場所の貴重さが分かるというもの。是非皆さんもだんぶり池でとんぼや草花を観察してみて下さい。きっと日常生活を忘れ、子供には新鮮で、大人には懐かしい素敵な時間を過ごせるに違いありません。
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