秋の美しさに包まれる浄仙寺
黒石市は城ヶ倉大橋、中野紅葉など四季で一番に色づく秋の紅葉を鑑賞する名称がたくさんあります。
その中の一つ、黒森山中腹にある浄仙寺。
浄仙寺の山門前のイチョウの黄色、境内の紅葉の赤色が美しく彩り、美景を楽しむことが出来ます。
仁王門の脇にはでかでかとした草鞋。
今迄見たことのない風景がお出迎えしてくれます。
山の中の寺院というだけあって、境内はとても広く、歴史漂う本堂や、お寺の鐘が目につきます。
特にお寺の鐘は、誰もが目にした事はありますが、触ったことない代物だと思いますが、
ここ浄仙寺では御賽銭を払うと自分の手であの鐘の音をを鳴らせるのです。
私が訪れた時も家族のお父さんが小さなお子さんに鐘を鳴らせ、聞かせていました。
こういった体験は育った時のいい体験になるのではないかと思います。
日本の文化に触れる
黒石市鍛治町の鍛冶屋に生まれた山崎是空(ぜくう)が、中野不動の洞穴で修行中に震感を得て黒森山に入り、
文政7年(1824年)に、師匠の来迎寺の隠居所であった浄仙庵の名跡を使って、
浄仙庵を復興するという形をとり、黒森山に開山しました。
また、是空は修行のかたわら寺子屋を設け、たくさんの若者が教えを受けに集まり、寺子屋は大正2年まで続いたそうです。
森に囲まれた境内は夏になると約200種類1万株ほどの花菖蒲が見られ、同時期にはゲンジボタルがたくさん飛び交います
広々とした境内には、郷土の生んだ文人である秋田雨雀、丹羽洋岳、鳴海要吉ら13人の文学碑
ご住職が関西三十三霊場を周り勧請を受け、その回った観音碑が境内の到る処にあるのです。
その季節の美しさを感じながら、文学碑に書かれてある詩を読み、観音菩薩に手を合わせ心を落ち着かせる。
これこそ昔から代々伝わってきた日本人の風習だと、洗浄寺を訪れ改めて感じました。
山の中で飲む珈琲
お寺の境内にひっそりとたたずむお店に入ると、そこでは坊守さん(住職の奥さん)が青森で有名な
「成田専蔵」の珈琲を出しています。
お寺を眺めながら体温まる珈琲をいただいていますと、
人柄の良さそうな住職さんから「慈悲」と言う言葉の意味を教えていただきました。
「お寺や仏教に少しでも携わると、慈悲という言葉を必ず目にすると思います。
慈悲と言う漢字を見ると、悲しさや、不のものを想像してしまう。
だけれど、それは違います。
慈悲の【慈】という漢字には慈しみという意味があります。
慈しみとは慈愛です。無条件で愛すること。
それが慈愛の心なのです。
次に一番の不の原因に見える【悲】という漢字。
これは、憐れみを意味し、あなたの苦しみや辛さを取り除いてあげたいと思う心をさします。
そしてこの二つの漢字を合わせた【慈悲】。
悲しみを知って、乗り越えた時、はじめて人を悲しみから助け、
相手を想い、慈しみ救う事ができるという仏教の教えなんです。」
とご住職。
珈琲を飲みながら仏教の心に携われる、山の中のお寺にあなたも是非訪れてみてはいかがでしょうか?
コメント一覧