魅力No.856


津軽塗せんべい


津軽塗のおせんべいです!
先日、弘前市立観光館1Fで開催されていた「第14回 津軽塗フェア2010 大展示即売会」で購入いたしました。お値段は1000円。製造・販売元は、八戸市の食品会社「味の海翁堂」さんです。

----------------2011年2月4日付記----------------

コメント欄で小林漆器様よりご指摘を頂きました。本記事で紹介している津軽塗せんべいは、小林漆器様が考案し、「味の海翁堂」さんに製造依頼されたものだそうです。販売元は、小林漆器様となります。関係者の皆様にはたいへんご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。(以下の文章も、一部修正しております。ご了承お願いいたします)

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この津軽塗は、南部せんべいにプリントされています。まさに、南部の伝統と津軽の伝統の、コラボレーション! 青森を代表するお土産と言えるのではないでしょうか?



もちろん、食べられます!

津軽塗について

ところで皆さん、「津軽塗」については、どの程度ご存知でしょうか?
津軽塗は、青森県津軽地方で生産される伝統漆器です。その誕生は江戸時代中期、弘前藩第四代藩主津軽信政公の治世までさかのぼるとされています(信政公の事績については、こちらの記事をご参照ください)。江戸時代には武家の武具や馬具、寺社の調度品などに用いられていましたが、明治時代以後、大衆化が進み一般生活に普及して行きました。
1975年には経済産業大臣指定伝統的工芸品に選出されました。青森県内においてこの制度に該当する民芸品は、今なお、津軽塗のみとなっております。これはあくまで、この制度の認定を受ける要件の一つとして、その工芸品が一定規模以上の業界を持った産業として成立している必要があるためであって、青森県内の他の工芸品が、津軽塗に劣るというわけではありません。念のため。

さて、この津軽塗について詳しく知りたいという方にお勧めなのが、弘前市立観光館2Fの「津軽塗コーナー」です。


ここでは、俗に「津軽の馬鹿塗り」と言われる理由である、漆を塗っては磨きあげさらに漆を塗り重ねて模様を浮き出していく、という津軽塗の馬鹿丁寧な工法について、実物を時系列順に並べて展示しています。




「木地」と呼ばれる、なにも仕掛けが施されていない素材が


徐々に、見事な津軽塗に変貌を遂げていきます。そしてとうとう、完成!


この間に費やされる日数は、実に50日以上。長く厳しい冬を耐えることでしんぼう強くなった津軽の人々の気質が生み出した、伝統の技なのです。

津軽塗4種

ちなみに、先の工程でご紹介した津軽塗は、もっとも一般的な「唐塗」(からぬり)と呼ばれる種類になります。「唐」とは「珍しいもの」「すぐれたもの」の意味です。この他、津軽塗には3つの塗があります。

これは「ななこ塗」です。その斑点が、魚のたまごを連想させることから「魚子塗」という字が当てられることも。そしてこの斑点は、菜の花の種を漆の表面に蒔きつけて作られるのです。

こちらは「紋紗塗」(もんしゃぬり)。

漆に米のもみ殻の炭粉を混ぜて磨きあげ、黒漆の中に文様を浮かび上がらせるという、全国でも津軽塗にしか見られない技法です。

最後が「錦塗」(にしきぬり)。

これはななこ塗の一種で、唐草や菱形の文様を加えて彩色した、豪華絢爛な津軽塗です。現在、これを作ることができる職人はごくわずかだそうで、なかなか手に入りにくいとか。

以上、現在伝わる4種類の津軽塗について、簡単に解説いたしました。冒頭で紹介した津軽塗せんべいが、それぞれ何塗なのか、皆さん考えてみて下さい!!
最近は、iPhoneのケースにもなっている津軽塗。身近にありすぎてなかなか気がつかないかもしれませんが、青森県が全国に誇ることのできる、失ってはいけない貴重な財産です。弘前市立観光館では、気軽にその製作工程が見学できます。
一度、ぜひお越しください。

青森県弘前市大字下白銀町2−1

コメント一覧

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