訪れた日は偶然にも雪がパラつき、風情のある楠美家住宅を見ることが出来ました。
<五所川原市のサイトより>
津軽地方を代表する大型民家である楠美家住宅。
後世に長く保存・伝承するため平成12年11月2日に五所川原市有形文化財(建造物)に指定し、同時に広く市内外の人々に公開するため平成18年5月に高野字北原222番地より狼野長根公園へ移築。平成19年4月27日に開館しました。
楠美家七代目当主が明治19年に建てた、寄棟造り茅葺一部2階建て延床面積507平方メートルの住宅で、住宅では日本で最大級の規模であると言われています。
写真はジョイ(常居)です。
来客時に利用し、囲炉裏の横座には当主、縦座には客、奥さんは台所に近い場所に座り、カガ座といったそうです。神棚、提灯入れ、石黒敬七の油絵があります。
大きくて、立派な神棚です。
ジョイ(常居)から見える奥座敷です。部屋数が多くて、迷子になりそうです。
トロジ(土間)
大戸からドゲ(土台木)をまたいで入った土間のことです。奥に見えているのが台所です。
料理場
ここは、母屋と離れを繋ぐ廊下です。中庭には池もありました。
楠美家住宅を開放している4月から11月末は、元の台所を利用した喫茶スペースになっています。残念ながら、訪問した2日前に営業が終了していました。
コーヒー300円、ケーキセット580円などのメニューが貼られています。春になったら、ぜひ楠美家へ来たいと思います。
納戸
当主夫妻の寝室として利用され、階段の下には金庫を収納していました。
3枚の扉で厳重に守られている金庫。
右から「登録商標 大日本宇都宮市 吉田金庫店製造」。歴史が感じられます。
急な階段です。ガイドの伊藤さんに許可をいただき、二階を案内していただきました。
階段のちょっとしたところにも、小さな引き出しがついています。
二階は天井が低く、子ども部屋として使われていたとか。
廊下のつきあたりにある扉をあけると、掛け軸の裏側まで収納スペースがあります。無駄のないつくりです。
ニワ(作業場)
ニヤ、あるいはニラともいいます。脱穀や縄綯い(なわなうい)、菰編み(まこもあみ)などをしたところ。子どもサイズの「みの」や藁草履を発見。かわいらしいです。
このほかにも隠し扉や取り外しできるはしごなどがあり、今と違う住宅様式がとても新鮮で楽しかったです。
「楠美家住宅」は五所川原市の文化財として開放されていて、無料で見学できます。
閉館時期:12月-3月
閉館期間中も、虫除けと屋根の雪下ろしのために、週に2-3回火を炊いています。運よく作業している方がいらしゃれば、中を見ることが出来るそうですよ♪ただし、駐車場の除雪はしていないそうなので、外観を見るだけでも冬場は長靴をご持参なさっがほうが良いかもしれないですね。
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特派員:きゅうさんのレポートもご覧ください☆>>>春までおやすみ 築120年 楠美家住宅
楠美家住宅
青森県五所川原市大字持子沢字隠川695-4
津軽自動車道五所川原I.Cより青森方面へ車で10分
狼野長根(おいのながね)公園の隣です。
開館時間:午前9時~午後4時
休館日:12月1日~3月31日(冬季閉鎖)
入館料:無料