2010年9月29日、鶴田町のりんご農家"田沢明裕"さんに「いぼり・葉隠りんご」の取材をさせてもらえたので、そちらをレポートいたします。
「いぼりりんご」とは外見「ゴツゴツ」しているが、味や着色すべてにおいて究極の良品果実です。
品種はふじとサンふじ。おいしさを表現するなら、甘さは「さわやか甘み」、食感は「しゃこしゃこ」、食味(これが大事なんですけどね…)は私独自の例え方なら「りんご汁じゅっ、じゅわ~」という感じです。田沢さんや「いぼりりんご」「蜜入りりんご」を作成している方々は、コクがあるりんごと評しておりました。
「葉隠りんご」とは、この「いぼり」をだすため秋の収穫ぎりぎりまで葉を取らずに成熟させた林檎のことです。
上の写真でも少しお分かりいただけると思います。「ゴツゴツ」してます。
旨いりんごが育つわけ
りんごの花を咲かせ実をつける枝を"結果枝"と言います。一見、見た目は衰弱したように見えるが実は円熟した枝があるんだそうです。
この枝こそが、充実した花芽をつけ力強い花を咲かせ、コク深い味の「いぼり」のあるりんごを結実させる枝なのだそうです。
写真でご説明しますが、上から順番に節があります、1年目、2年目、3年目、4年目でこのりんごは果実として結実したのがわかると思います。つまり花が咲いて約半年でこの実になったのではなく、枝として4年間の養分を貯めて実を生らせたのです。林檎一つを結実させるために木から4年掛けた「栄養分の道」を辿り、たった一個のりんごの果実を結実させるのです。
その結果、りんごの自体の器を超えた栄養分がりんごに蓄積され、果実の最終成長後にも栄養分が送られるのでゴツゴツと歪んだ果実肥大が起きるのだそうです。
こうなると、秋の収穫時には熟成された立派な蜜入りりんごになります。さらに十分な養分は、りんご内のあらゆる所でおいしい果糖となり、食べた時の食味は「りんご汁じゅっ、じゅわ~」という感じです。昔、ばっちゃ達が大好きだったりんごの味ですよ~。
果実に色がついて、美味しくなるのは日当たりの良い外側の枝と思っていた私。田沢さんのお話では、何年も枝として養分を貯め実を成らす枝というのは、日当たりの悪い樹木の内側に多く生育しているのだそうです。
この枝には、今までご説明した通り十分な養分が送られるため、果実の大きさも十分、晩秋には寒暖差で色つきも最高の大変美味しいい「いぼりりんご」ができるのだそうです。
この栽培方法は、田沢さんのご経験に基づいた独自の理論だそうです。
えっ、樹齢80年ですか!?
写真の樹木は「樹齢80年」だそうです。立派な樹木です。元は"国光"という品種だったそうですが、ふじを接ぎ木して現在に至ります。おじいちゃんの樹木に見えますが、バリバリ現役です。田沢さんが樹木の状態を見て手入れ剪定しているので、しっかり果樹をつけております。「樹は人がちゃんと手入れしてあげれば、何年でも持つ」とお話してくれました。
そういえば、昔のりんご園はこんな「大樹」から枝が柳の様に垂れ下がっていたのを私も思い出しました。
こちらも大樹ですが、かなり寝て(倒れて生育して)おります。
「このスペースにまともに樹木を育てたら2本分のスペースあるんじゃないですか?」と、質問したら笑いながら、
「いや、こういう樹の先っぽに生育した枝のりんごが美味しくなるんだって!!」と答えていただきました。効率を考えず美味しさを求める。田沢さん"かっこいい方"です。
取材日は、まだふじの生育には早い9月。このりんごたちが、これから一か月ちょっとを掛けて成熟していきます。楽しみですねー。今回はご本人が「今日髭生えてるからー」ということで、写真でのご出演いただけませんでした。残念です。
田沢さんのりんごは
(株)津軽シャングリラでお求めになれます。http://www5.ocn.ne.jp/~tugaru-s/
おいしい蜜入り「いぼり・葉隠りんご」ぜひ食べてみてください。
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