魅力No.1810


りんご娘 「奇跡のりんご」の生みの親 木村秋則さんと出会う! 前編

「青森の魅力」魅力特派員のakkyです。
今回は「青森の魅力」特別企画として、弘前市が青森県に誇るご当地アイドル「りんご娘」のメンバーが、あの無農薬・無肥料栽培「奇跡のりんご」を生んだことで世界的にも有名な、木村秋則さんの農園を訪ね、木村さんから、その誕生秘話と、りんごへの熱き思いについてお話を伺うことになりました!

意外なことに、双方初対面。はたしてりんご娘は、木村さんからどんな貴重なお話を聞き出すのでしょうか?それは、対談本編を読んでもらってのお楽しみ!
それではいよいよスタートです!
※この対談の模様は、7/24(日)にTBS系「さんまのスーパーからくりテレビ」内でもクイズ形式で放送されました。

木村秋則
1949年、青森県中津軽郡岩木町(現・弘前市)にて、農家の次男として生まれる。青森県弘前実業高等学校卒業後、神奈川県にあるメーカーに就職するが、1年半で退職。
1971年に帰郷し、木村家の養子となってりんご栽培を始める。
1976年から本格的な無農薬りんご栽培を始め、試行錯誤を重ねつつ、1986年におそらく世界初といわれる、りんごの無農薬栽培に成功。現在はその体験談の講演を、日本各地で依頼されるようになる。著書多数。
木村秋則オフィシャルホームページ http://www.akinorikimura.net/

りんご娘
青森県を元気にする、地域と農業の活性化アイドル。現在のメンバーは、左から順に、とき、ジョナゴールド、レットゴールド、金星の4人。
青森の美味しい農産物を全国に発信するため、大活躍中!
詳細は、「青森の魅力」掲載のインタビュー記事をご覧ください。

魅力No.500 りんご娘独占インタビュー!
魅力No.956 再び、りんご娘独占インタビュー

りんご娘、自己紹介を兼ねて、木村さんにりんごの説明

レットゴールド(以下、レット):はじめまして。今回は木村さんにお会いできて、本当にうれしいです。
わたしは、レットゴールドといいます。レットゴールドというりんごは、中に蜜がたんげ詰まった(=いっぱい詰まった)、すごく甘いりんごです。そして、生産量が少ないので、とってもレアなりんごです。弘前市出身の20歳です、よろしくお願いします!

ジョナゴールド(以下、ジョナ):りんご娘のジョナゴールドです。ジョナゴールドはちょっと酸っぱいんですが、加工性に優れているので、アップルパイにしてもジュースにしても美味しいです! 弘前市出身の19歳、今は横浜市で大学生をやっています。

とき:りんご娘のときです。このりんごは、五所川原市のときさんという方が初めて作られたことから、その名前がつきました。生産量がどんどん増えている、人気のりんごです。弘前市出身、12歳の中学1年生です!

金星:りんご娘の金星です。金星は、皮の色がとってもキレイで甘みがあって歯ごたえもいい、美味しいりんごです。弘前市出身の15歳、高校1年生です、よろしくお願いします!

木村秋則(以下、木村):皆さん、今日はわたしの農園にようこそ! 若いのに、本当によくりんごの勉強をしてるね。今日はとっても楽しくなりそうだ~(笑)。

――:木村さんは、りんご娘のことはご存知でしたか?

木村:知ってたよ。去年はみんなの歌のCDも聞いたよ。

ジョナ:本当ですか!? なんていう歌ですか?

木村:「彼の軽トラに乗って」だったかな? それにみんなのことは、もっと前から知ってたよ。りんごの名前をしたかわいい女の子たちがいるって、聞いてたんだ。だからずっと、会ってみたいなあと思ってたんだけど、今日は願いがかなってすごくうれしいよ。

りんご娘一同:木村さんからそう言ってもらえて、わたしたちも本当にうれしいです!

りんごの木の声を、聞いてみよう

――あいさつも終わり、いよいよ本題。りんご娘たちは木村さんの「りんごへの熱き思い」についてお話を聞こうとするのですが――。

木村:いや~、わたしと話すよりもまず、りんごの木の話を聞いてもらった方がいいんじゃないかねえ。りんごの木は、日本語も英語も、津軽弁も話さないけど、りんご語を話すんだよ。みんな、知ってたかな?

とき:初めて知りました!

金星:木村さんは、りんご語を話せるんですか?

木村:みんなにはなかなか聞こえないかもしれないけど、わたしには聞こえるし、話せるんだよ。今からりんごの木に、みんなが来てくれたことを伝えるからちょっと待っててね。

――しばし、りんごの木に語りかける木村さん――

木村:こうやってりんごの木に話しかけるとね、それだけで木は元気になるんだよ。昔はそれに気づかないで話しかけなかったから、木が枯れそうになってしまったんだ。
こうやって一本一本の木と話すようになってから、木がわたしの気持ちにこたえて、美味しいりんごを生んでくれるようになったんだよ。
大切なのは、りんごの気持ち、りんごの木の気持ちになって話しかけることなんだ。そうすれば絶対、りんごはこたえてくれるんだよ。みんなもこれから、りんご娘として、りんごの気持ちをもっとわかるようになってくれればうれしいな。

レット:今、りんごの木は、何て言ったんですか?

木村:りんごの木は、みんなのことを大歓迎しているよ。来てくれてありがとう。みんなは「りんご娘」だから、わたしたちの仲間なんだ。もっともっといろんなことを経験して、学んで、一緒に立派な実をみのらせようね、って言ってたよ。

とき:うれしい!

ジョナ:ありがとうございます。

木村:わたしじゃなく、りんごの木にお礼を言ってね。まだ言葉は聞こえないかもしれないけど、みんなの声はきっと伝わるよ。

りんご娘一同:(りんごの木に向かって)ありがとうございました!

りんご娘、いよいよ木村さんのヒミツにせまる!!

――その後、場所を変えて、地面にシートを広げて、ゆっくり座りながらお話しすることに――

レット:木村さんは、どうして無農薬・無肥料でりんごを栽培しようと思ったんですか? 何かきっかけはあったんでしょうか?

木村:いくつか理由はあるんだけど、そのうちのひとつはね、うちの女房が、農薬が苦手だったんだよ。当時の農薬は、体に悪いものが特に多くてね。それまでは普通に使っていたけど、女房が農薬の害で苦しんでいるのを見て、「どうしてこんなものを使わなければいけないんだろう」って思ったのさ。
だから少しでも農薬を使うのを減らすことから始めたんだ。一気にゼロにするんじゃなくて、少しずつ、少しずつね。

ジョナ:素敵ですね、奥さんのためだったんですね。

木村:ありがとう。肥料の方は、最初からゼロにしたんだ。岩木山を眺めてみると、どうして肥料なんか与えてないのに、岩木山の自然はあんなに豊かなんだろう、って不思議に思ってね。
わたしは農家の次男坊として生まれたけど、稼業はぜんぜん手伝わなかったし、高校を卒業してからは関東の機械メーカーに就職したからね。農業のこともりんご栽培のことも、ぜんぜん知らなかったんだ。何にも知らないのに、実家に戻ってきて農業を始めたでしょ。だから単純に、こういう発想ができたんだろうね。

とき:「農薬を使って当然」という常識にとらわれなかったから、奇跡のりんごが生まれたんですね。

木村:でもね、自然はそんな優しくなかったんだよ。壁、壁、壁。次から次へと、大きな壁がわたしの前に立ちはだかったんだ。自分のやっていることは本当に正しいのだろうか。なかなか、確信を持つことができなかったねえ。

金星:ここまで来るのに、どれくらいかかったんですか?

木村:無農薬・無肥料の栽培を始めよう、と思ってから、もう36年になるね。そのうち、最初の10年は、ひとつも実がならなかったんだ。その10年は本当につらかった。畑は雑草が伸び放題、木は花も咲かせないで、年々どんどんと弱っていくんだよ。
家族にも、周りの農家の人たちにも迷惑をかけてしまってね。死んでしまおう、と思ったことなんていくらでもある。
でも、いつかこの畑に、満開のりんごの白い花を咲かせてやろうって思って、踏みとどまって来れたんだ。だから、最初に無農薬でりんごをみのらせることができた時は、本当にうれしかったよ。

レット:その10年間、無農薬栽培のりんごを実現するためにいちばん、木村さんの支えになってくれたものは、何だったんですか?

木村:家族はもちろんだけど、いちばんわたしを励ましてくれたのは、誰だと思います? 笑わないで聞いてね。この畑にやって来た、二人の小学生くらいの、宇宙人なんだよ。

りんご娘一同:宇宙人ですか!? すごーい。

木村:そう。ある日突然、この畑に来たんだよ。彼らは、何もりんご栽培の手がかりも、答えも教えてくれなかった。でも、遠い宇宙からわざわざわたしの畑を見に来てくれたということは、それだけわたしのやろうとしていることに関心がある、っていうことでしょう。だからその時に、もっとがんばらなければ、って思わされたのさ(笑)。
りんご娘の皆さんは、宇宙人を見たことあるかな?

りんご娘一同:ありませ~ん。

木村:この畑では、UFOが飛んでいる写真が撮れたこともあるんだよ。

……以後、話題はりんごから逸れて、宇宙人の話がしばらく続くのでした。
というところで、後編に続きます! 7月27日(水)12時公開予定ですので、お楽しみに!

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