つがる市を舞台にした短編映画「けの汁」について撮影が終了したばかりの
つがる市フィルムコミッション会長、川嶋大史(かわしま・だいじ)さんにお話をうかがいました。
川嶋さんは、つがる市フィルムコミッション会長のほか、1992年に始まった「@ffあおもり映画祭」の本部事務局代表も務めていらっしゃいます。
また、デイジーの愛称で「フィーラー」や「Too-Life」といった雑誌へのコラム連載やラジオ出演もされています。
フィルムコミッションが映画制作をする。
全国的にも異例の事。
つがる市フィルムコミッションは、平成21年、つがる市誕生5周年を機に設立された非営利団体です。
映画等の撮影場所誘致や撮影支援をするのが、本来のフィルムコミッションの役割です。
映画やドラマの誘致することによって地域活性化、文化振興、観光振興を図る狙いがあります。
通常であればフィルムコミッションが制作自体には携わることは無く、ロケハンへの協力や撮影のサポート等を行っているそうですが、制作そのものをフィルムコミッションが行うのは全国でも異例の事です。
ただのPR映像ではない。
「けの汁」は、つがる市の魅力を全国に伝え、開業後の「誘客」につなげることを意図して制作される約30分の短編映画です。
馬市まつりやりんご畑、田園風景、木造高校、ネブタなど、つがる市内の風物、名所が随所に盛り込まれています。
「新幹線開業で盛り上がってるのは一部の人だけ。
でも、何もしないと何も変わらない。何か手を打ちたい。
わざわざ観光地化しなくても、そのままの方が魅力がある。
ありのままの津軽で、おもてなしの心で迎えたい。」
「よくあるPR映像ではインパクトがないし面白くない。
全国の人が観て、映画として面白いものが作りたかった。
それで、以前から親交が深い千村監督にお願いした。」
「けの汁」はみんなの想いを切り刻んで
煮込んだ映画です。
監督・脚本は千村利光さん。東京出身ですが、あおもり映画祭で度々青森を訪れています。
「題材や脚本は千村監督に一任した。東京の人から見たら津軽のどんなところに魅力を感じるのか。それが“けの汁”だった。」
映画「けの汁」には、つがる市で暮らす父親、若くして亡くなった母、東京で働く娘、娘の婚約者で東京出身の青年、若き日の父親。5人の主要な登場人物がいます。
「誰が主役とかではなく、それぞれにそれぞれの想いがある。その想いがつながり合い受け継がれる。それが絆であり、命をつないでいくこと。けの汁を通して、ありのままのつがる市の魅力を伝えたい」
「けの汁」は、そんなそれぞれの登場人物の絆を描いた心温まるストーリーです。
30分の短編映画が持つ可能性
「映画館でお金を取って上映する長さの映画ではない。
しかし、フィルムコミッション制作なので上映方法は自分で決めれる。
例えば、ターミナルや待合室での上映もアリだと思うし、時間的にもちょうどいい長さ。テレビの30分番組にもちょうどいい。」
完成したらまず地元での試写会を考えているとのことでした。
どういうところで上映されるかは、まだ具体的には決まっていません。公開日等も、具体的な日時は未定ですが、今年度中の完成を目指しているそうです。
「国内外の映画祭に出品も考えている。そういうクオリティで作った。」
映画「けの汁」が、つがる市だけでなく周辺の市町村も含めた誘客につながればとの想いで、撮影、PRを行っているそうです。
撮影も終わり、片付けや取材対応でお忙しいところありがとうございました。
写真は映画「けの汁」のスタッフルームとして使われた事務所。ここで監督が寝泊まりしたとか。
いままで誘致や支援で関わった映画のポスターが飾ってあります。
映画「けの汁」最新情報はつがる市フィルムコミッションのホームページ内「けの汁」情報をご参照ください。
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