黒石市の津軽こけし館で行われている、津軽こけしの工人による実演の様子をお伝えします。
こけしは昔から湯治客の定番おみやげとして、東北地方の温泉地で愛されている工芸品です。
黒石には「温湯(ぬるゆ)温泉」があり、津軽系こけし発祥の地でもあります。
現在も黒石にはこけし工人が数名いらっしゃいます。
津軽こけし館では、黒石在住のこけし工人による実演が毎日見られます。
工人は日によって違いますが、この日の実演は阿保さんです。
まず、おおまかに角をとった角材を、横向きのろくろに取りつけます。
木は「けやき」を使用しています。雪国で育ったけやきは、年月が経っても割れにくいからだそうです。東北南部に行くと、また別の種類の木を使っているらしいです。
首の位置に軽く印をつけただけで、傍目には無造作に削っていきます。
まだたったの6分。すでに頭の形が出来ています。
全く迷いのない手つき。さすがの職人技です。
出来あがると手前に並んでいるこけしになります。
「なるほどこうなるのか!」と、目を離している隙にすでに胴体部分も形が出来てきました。
1つ前の写真から1分しか経ってません。凄い!
削っている様子の動画です。
開始から11分。すでにこけしの形です。
口を半分開けたまま食い付いて見ている私に声をかける余裕さえあります。
使用している木がけやきである事や、青森のこけしと宮城のこけしの違いについて教えてくれました。
青森のこけしの頭部が胴と同じ幅なのに対して、宮城のこけしは頭部が胴より幅が広いのだそうです。
やすりなどで表面をなめらかにしています。開始から18分くらい。
この後、絵付けに入ります。
絵付けの様子はぜひ動画でご覧ください。
絵付け終了。開始から25分しか経っていません。
もうすでに完璧なこけしの形…かと思いきや、最後の仕上げです。紙やすりで調整したり、ちょっとだけ削ったり。
特にラッカーのようなものを塗っているわけではありませんが、紙やすりをかけただけでつるつるです。
28分くらいで完成!
胴体の緩やかなくびれがカワイイこけしです。
よ~く見ると、模様やくびれ具合にも個性があります。
ぜひ皆さんも生で実演をご覧ください。
津軽こけし館
開館時間:9:00~17:00(12月~3月は16:00まで)
入館料:無料。2階の有料展示は大人300円/高校生250円/小中学生150円(15名以上で団体割引)
コメント一覧