いつも何気なく飲んでいる牛乳。
いつどのように作られているのか、深く考えたことはありますか?
私は、牛さんや牛乳に関して、雌が乳牛で、雄はお肉♪という知識くらいしかなく、
牛さんと牧場主さんの深い愛のストーリーがあるなんて想像もしていませんでした。。。
11月某日、仕事でいつもお世話になっているJAおいらせさんから、
「乳牛の体型審査で、すばらしい成績を収めた牛がいる!」と連絡をいただき、
酪農に関して、全く無知な私は、かなりドキドキしつつも、どんな牛さんなんだろう。。。とワクワクしながら、千葉牧場さんを紹介していただきました。
牧場へ向かう車中、無知な私は乳牛予備知識をレクチャーしていただきました。
エクセレント牛に出会う
今日伺うすばらしい牛さんは、(社)日本ホルスタイン登録協会の体型審査において、
得点90点以上の高得点をとったEX(エクセレント)の乳牛であるとのこと。
2010年10月7日現在・日本ホルスタイン登録協会の調べによると、
都府県のEX牛は、1331頭。
青森県では、2008年に第1号のEX牛が誕生し、現在この秋で6頭になりました。
青森県の技術が認められ、今後につながる素晴らしい成績を残されました。
EX牛とは、、、
簡単に言うと「スタイル抜群!」な乳牛さんだそうです。
人間でいうと「ミス・ユニバース」的存在☆
そんじょそこらの牛とは格が違うのです。
その一番の注目はズバリ!「おっぱい」
乳牛にとって、商業能力を求められ、乳がたくさん出る牛がよいとされます。
この審査では、体型、肩幅、腰、足とトータルしてスタイルを見ますが、
「おっぱい」の形がよければ、乳もたくさん出る、という想定の元評価されるそうです。
ややっ、やはり、牛の世界でも女性は「おっぱい」なのか。。。
と、かなりのガッカリ感をいだきつつ、、、
何世代もの時間をかけて誕生する。
そういうすばらしい牛は、急に生まれるわけではなく、人間と同じように、牛にも顔はいいけど、スタイルは×だったり、美乳だけど足が短い、など、パーフェクトな牛さんはそう滅多にいるものではありません。
やはり遺伝が大きく関与するので、よい遺伝子を掛け合わせ、何世代もかけて美しいおっぱいを持った、パーフェクトな乳牛を育てていくのです。
そして、その体型を維持するためには、常日頃の管理が必要なのです。
牛の世界も人間の世界も同じなんだ、とすごく親近感がわくと同時に、相当の努力が想像でき、同じ女性として深く考えてしまいました。
そうこうして千葉牧場へ到着。
仕事人登場!
こちらが多くの優れた乳牛を育てていらっしゃる千葉準一さん。
職人気質でクールかっこいい!!
千葉さんは、
青森県ホルスタイン改良協議会会長
東北ホルスタイン改良協議会副会長
をはじめ、多々各方面で活躍されています。
今回、EX牛となった乳牛は、自家産の牛で、非常にめずらしく、千葉さんの高い技術が輝いています。
そして、こちらが今日の主役、EX牛「サウザンドリーフ ジエスロ フエイアーク」さんです!!
そして、噂の美乳☆
知らない人でイヤイヤされつつ、後ろにまわって美乳を撮らせていただきました。
ありがとうございました。
どうですか?形の整った美しいおっぱい☆
人間と同じく、形がよくなかったり、年を重ねると垂れてきたりするそうですが、「サウザンドリーフ ジエスロ フエイアーク」さんは美乳を保っています。羨望の眼差し。。。
そして、「サウザンドリーフ ジエスロ フエイアーク」というすばらしいお名前がついていますが、牛さんの名前は、いままでの家系(父、母、祖父、祖母など)からつけられることが多いそうです。
そして、頭の「サウザンドリーフ」は牧場主さんの名字からつけられるそうで、
「サウザンドリーフ=1000の葉」=千葉さんということになります。
全国には「ハイブリッジ」さんとか多いそうですよ。
EX牛になる条件は、、、
3産以上、1万kg以上の牛乳をしぼった牛で、順調にいけば5年目から対象になります。
この「サウザンドリーフ ジエスロ フエイアーク」さんは、2005年6月19日生まれ。
ちょうど5年とちょっとで、一番いい時期に調整することができたそうです。
ここでちょっと質問です。
Q.「サウザンドリーフ ジエスロ フエイアーク」さんは、生まれた時からEX牛になるかも!と思われましたか?
A.いえ、去年の評価でこのまま順調にいけば、EX牛になれるかもしれない、と気づきました。
お母さんが青森県共で初めて賞をとった乳牛だったので、素質はあったそうですが、やはり千葉さんの日々の積み重ねと愛情が、今回の評価につながったのだそうです。
こちらがお母さん。やっぱりスタイル抜群!美乳ですね~。
Q.EX牛を育てるにあたり、こだわったポイントはありますか?
A.EX牛に限らず、ビタミン、カルシウムを適量与えつつ、粗飼料(牧草)をたっぷり与えること。
そして、日々の管理の徹底をします。
とにかく粗飼料をたっぷりということでした。牧草は自家産だそうです。
そして、お話には、愛情がたくさん注がれていることがとても伝わってきました。
牛舎の様子です。愛情がほんわか感じられる温かみのある牛舎でした。
ここにいる牛さんが全て女性であることと、妊娠中の牛さんもいるというのも、なぜか安心します。座っているのは、とてもリラックスしている状態なんだそうです。私たちが入って行っても、ちっとも動じませんでした。千葉さんを信頼しているのでしょうね。
そして、なにより千葉さんの顔がほんわかしていました。
牛たちは、千葉さんがくるととてもうれしそうで、とても人懐っこいです。
カメラを向けると「ナニナニ???」と言ってるかのように、
首をフリフリして、とても可愛い☆
(だけど、写真はぶれぶれ。。。)
こちらでは、現在80頭の乳牛を飼育されています。
年間の出産件数は約50頭とのこと。千葉さん、休む暇なしです。
こちらは9月に生まれた子牛ちゃん、3頭。
ふわふわしていて超かわいいです。
しかし、生まれてすぐお母さんとは離れ離れに。。。
商業用として割り切るしかないのだそう。
可愛そうだけど、牛乳大好きな私たちがいる限り、仕方のないことですね。。。
そして、感動の乳牛の一生。
乳牛は毎年妊娠、出産をします。
初めての妊娠は生まれてから約24ケ月を目標としています。
妊娠期間は約10ケ月。(人間とおなじ!!)
妊娠するまでは、市営の放牧場で育って、
丈夫な乳牛としての体づくりをして帰ってくるそうです。
妊娠している間、ずっと牛乳をしぼります。
出産後、2、3ケ月で人工授精により妊娠をします。
(ええー!休みがない!!)
1日平均30kg(多い場合は40~50kg)の牛乳をしぼります。
朝5時半~と夕方4時~の1日2回の作業です。
(母乳経験のある私としては、この数字を聞くだけで、ぐったり。。。)
唯一臨月の2ケ月間は自由な時間があるそうです。
そして、約12年で乳牛としての役割を終えます。
おぉ、、、なんという人生。女性としては非常に悲しい。。。
でも、1年のうち2ケ月の自由があって本当によかったです。
ずっと妊娠しっぱなし、乳しぼられっぱなしだと苦しそう。
そして、妊娠中ということは、具合が悪かったり、色々な不調があるはず。
それを千葉さんが世話をして、元気で快適に美味しい牛乳が出せるように、牛と一緒に日々努力されているのだなぁと、とても感動いたしました。
早朝から夜まで、忙しい牧場の仕事。
千葉さんの牛に対する深い愛情と、牛との強い絆を感じました。
牛乳は「愛」の味
こうして、実際の現場で乳牛の話を伺い、いろいろなことに衝撃を覚えました。
美味しい牛乳を私たちに提供するために、こんなに頑張ってくれているなんて。。。
すっかり牛乳のイメージがキラキラしたものに変わりました。
スーパーで売っている牛乳の値段、こういったご苦労を考えると、とても安いと感じます。野菜や魚、なんでもそうですが、私たちの食事の裏には、たくさんのご苦労があります。
本当に食事を大切にいただかなければいけない、と改めて思います。
今回は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
今後のご活躍をお祈りしております。
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