魅力No.406


「昭和43年生まれの高架橋」

 東北本線は、東京から青森まで、太平洋側を貫く一本の路線です。
今回は、私の通勤経路の県道8号線沿線から望む、上北町駅から小川原駅間にある高架橋を紹介します。

昭和43年 小川原湖周辺の湿地をわたるため、高架橋が作られた。舗装道路工事が全盛期をむかえるさなか、東北本線の複線化によって必要に迫られて施工された脚長橋。 この辺りは、昔沼崎本村と呼ばれ湿地帯で地盤もゆるゆるらしいです。
そんな場所に高架橋しかも橋脚が約5m!
 当時 この高架橋工事を請け負った 西松建設の方にお話しを聞く機会がありましたので抜粋ですが掲載します。
「草ぼうぼうで、ジメジメぐちゃぐちゃで本当に大変だったんだよ~」 「でも、小川原のおばちゃん達がすごく良くしてくれて、いっつも、差し入れだっておかずを持って遊びに来てくれて 酒飲みが多いなあと関心したけど本当にみんな明るくて、橋が出来るのを楽しみにしてくれていて ・・・・」 
 
出稼ぎのお父さんのかわりに留守を守る お母さん達は、陽気で威勢が良かったそうです。 鉄道の発展がもたらした経済効果や出稼ぎ労働者の帰省の時間短縮と本当に便利な良いものがやって来ると言う思いだったんでしょうね。

そんな43年生まれのこの高架橋は周囲に愛されて創られ、今も列車を走らせています。
しかし、八の字に踏ん張る橋は、脚部にひびが目立つようになり、昨年から補修工事がはじまりました。

2010年(平成22年)12月4日に東北新幹線の八戸駅 - 新青森駅間が開業した際には東北本線の八戸駅 - 青森駅間は青い森鉄道に経営移管されます。

これにより、青森県内の東北本線は全て廃止となる。

 これからは、青い森鉄道の橋として、この橋はまだまだ頑張ってもらいたい。老朽化する高度成長期の構造物達は、補修されながら 平成の青い空の下で頑張っている。
 新しいものの影には、古くて素敵なストーリーを持つものが隠れている、だから 地域の魅力とともに振り返り、昔を懐かしんだり、歴史を紐といたりして 知ることを止めてはいけないと思う。

「新しいものに浮かれたふりをしながらも、大事なものと向き合いましょう。」


 
 

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