魅力No.631


太郎杉の幹

魅力No.575の記事でお伝えした、弘前城植物園内の一角、芝生の広がる自由広場の片隅に、大きな木の切り株があります。

これは、「太郎杉の幹」と呼ばれるものです。
太郎杉とは、かつて禅林街の最深部、長勝寺の門前の市道中央にそびえていた、樹齢八〇〇年を超える杉の木でした。

在りし日の太郎杉(園内説明看板より)

長い年月の間にやがて幹の上部は枯れてしまい、地上十七メートルのところで切り落とされましたが、その後も長く、その地にしっかりと根を下ろしてきました。


この辺りに、大きな大きな木があったのは、私もよく覚えています。しかし残念ながら平成十年(一九九八)、とうとう枯死してしまったのです。当時関東に住んでいた私は、それを知らずに翌年のお盆、お墓参りで禅林街を訪ねた時、この木が無くなったのを知って、かなりのショックを覚えたものです。
しかし、あの思い出の中にあった木の幹に、弘前城植物園内の中で再会することができました。弘前の町の歴史以上に長い時間を生き、一帯を見守ってきたこの太郎杉を愛する人たちの手で、ここに残されたのでしょうか。

太郎杉は、今は地面に横たわり、静かに眠りについています。
その、人間には想像もできないほど長い一生の間に刻まれた、自然の力の証。


そして、この幹からしっかり育まれる、新たな命。

思い出の中のあの木が、ここに来ると鮮やかに蘇ります。
失われたかもしれない太郎杉は、実は失われていなかったのでした。
自然の力って、素晴らしい。
そんなことを、思わず感じてしまった一日でした。

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青森県弘前市大字下白銀町1

コメント一覧

  1. うはっ懐かしいなぁ!
    ありましたねぇ・・大きい杉の木!
    本当にビッグでしたもんねぇ・・、大きい台風が来た時に雷が落ちたって杉の木はまた別なんでしょうか??あれれ??
        
    何だか幼少の頃を思い出します・・あ――懐かしい(><)

    new_rock

    2010.10.15


    • new_rockさん

      懐かしいですよね、この木。
      あれがないと禅林街って気がしませんでした。
      思い出に浸りたくなったら、植物園に会いに行ってみてください。

      akky

      2010.10.15


  2. 最近禅林街で感じた違和感はこれでしたか!
    にしても感動の締めくくり。
    …なんか悩んでるんですか?

    さとちゃん

    2010.10.15


    • さとちゃん

      季節も秋だし、おセンチな気分なんです。えへ。
      ってか、本当にこの幹を見つけた時、懐かしくなっちゃってねえ。

      akky

      2010.10.15


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