魅力No.741


カトリック教会の中にある岩木山

弘前カトリック教会にやってきました。

弘前におけるカトリック布教の歴史は、明治十一年(一八七八)に函館から訪れたペテェ神父が民家を教会に改修して以後、始まったとされています。この教会堂は、明治四十三年(一九一〇)、オージェ神父の設計のもと、堀江佐吉※1の弟、横山常吉が施工した、尖塔を持つロマネスク様式の木造建築です。

こちらが、白を基調とした教会内部。

このゴシック様式の祭壇は、昭和十四年(一九三九)にオランダの聖トマス教会から譲り受けたものですが、祭壇そのものが作られたのは、慶応二年(一八六六)にイ・ア・オールという建築家の手によるとされています。当時ベルギーで行われた博覧会では、この祭壇は最優秀賞を獲得したといいます。



そして、この教会のもう一つの特徴が、この鮮やかなステンドグラス。

このステンドグラスを通してホールに注がれる日光が、神の住まう城たるこの教会にいっそうの、厳かな雰囲気を与えています。「神の人間への救いの歴史」をモチーフにした、これらのステンドグラスは昭和五十九年(一九八四)、カナダのカロン神父によって製作されました。そして、このステンドグラスに描かれた歴史を順にたどっていくと、最後の一枚がこちらとなります。

これは、岩木山とそのふもとの弘前の町を描いています。製作者のカロン神父は、この一枚に次のような意味を込めています。
「人は自分のため、また社会のために自然を利用しています。そして、神が作られた自然を破壊しないように、いつも感謝の心を持って、神を賛美するのです」と。
カロン神父の言葉は、クリスチャンではない人たちにとってもきっと、貴重なものとしてその耳、その心に届くのではないでしょうか。

※1 堀江佐吉については、魅力No.562「蜂のマークの、旧弘前偕行社」に詳しい解説が記してあります。

弘前カトリック教会
弘前市百石町小路20 
Tel:0172-33-0175
入場料:無料
休館日:日曜午前中(礼拝のため)/祝日
駐車場:あり
夜間は外観のライトアップあり

青森県弘前市大字百石町小路20

コメント一覧

  1. 素敵な空間ですね☆
    個人的に教会は大好きです。
    是非とも行ってみたい教会です。
    ステンドグラス、素敵です!

    あきちゃん

    2010.10.28


    • あきちゃん

      ぜひぜひ、弘前にお越しの際はお立ち寄りください!!
      礼拝堂は本当に神聖な空気があふれていて、クリスチャンじゃなくても圧倒されました。
      ステンドグラスも温かみがあって、見ていて心がなごみます。

      akky

      2010.10.28


  2. 祭壇すご~い迫力!
    ステンドグラスにもしっかり
    「弘前城」が刻まれているんですね(^・^)

    かっちん

    2010.10.28


    • かっちんさん

      この祭壇はすごいですよね~。
      今回ご紹介はできませんでしたが、天使の像も随所にあって、神々しさが感じられました。
      ステンドグラスの弘前城、お見逃しされませんでありがとうございます。
      五重塔も描かれているし、カロン神父は宗教や文化の違いを超えて、
      岩木山と弘前の街を慈しんでくれたんだろうなあと思います。

      akky

      2010.10.28


  3. 教会って入りずらい雰囲気があったんですが、クリスチャンでなくても心が洗われる素敵なところですね。
    ステンドグラスや祭壇も直接見て見たいです。

    きゅう

    2010.10.27


    • きゅうさん

      弘前には有名な教会がいくつかあるんですが、実は私も実際に訪ねて中に入ってみるのは、今回が初めてでした。
      神社やお寺とはまた異なる雰囲気に魅了されてしまいます。
      他の教会もまた近いうちにご紹介いたしますね!!

      akky

      2010.10.28


こちらから魅力にコメントができます。

CAPTCHA